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水道水を飲むのは是か非か?徹底的に調べました!

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水道水は飲んでも大丈夫なのか?

飲料水はどうしている?

日本では水道水は飲めるものとして当たり前ですが、そのような恵まれた国は世界でも15カ国ほどしかありません。

殆どの国では水道水は飲めないものなのです。ですが日本でも近年ではウォーターサーバーやミネラルウォーターなどが市場拡大していて水道水を飲まない人も増えてきました。飲料水はみなどうしているのでしょうか。

水道水をそのまま飲む人は37.5%

【グラフ 飲み水について】

【グラフ 人口規模別飲み水について】

上のグラフは平成20年度内閣府「水に関する世論調査結果(複数回答可)」です。

調査結果では水道水をそのまま飲んでいるという人は37.5%で安全といわれる日本の水道水の水質基準でもそのまま飲むという人は約3分の1程度しかいないようです。

特に大都市では27.9%、東京都区部では22.8%、政令指定都市では29.5%と平均を大きく下回っており都市部の水道水に対する不信があるのがデータから読み取れます。

「浄水器を通した水道水を飲む」が32%、「ミネラルウォーターなどを購入し飲む」が29.6%、「水道水を煮沸して飲む」が27.7%となっており半数以上の人が飲料水にコストをかけています。

水道水を飲むことのメリット

飲料水として水道水を飲むことのメリットとして挙げられることはコストが安いことです。

水道料金は自治体ごとに決められていますので全国一律とはいきませんがそれでもミネラルウォーターを飲むよりは安くなります。

成人男性が1日に摂取すべき水の量は2.5Lといわれています。そのうち食物で摂取したり、体内で生成される水が約1.3Lで、残る1.2Lを飲料水から摂取することになります。

水道水とミネラルウォーター、ウォーターサーバー、浄水器を使用した場合どのくらいのコスト差がでるでしょうか。

【表 飲料水年間コスト比較】

*飲料水1.2Lを年間365日摂取するものとして算出しました。

*水道水は家庭用の口径20mmを20㎥の月額から算出しました。(※生活.com参考)

*ミネラルウォーターは、2L*6本パックで1番人気の商品より算出しました。(※価格.com参考)

*ウォーターサーバーは、最低注文量の業界最安値のものより算出しました。電気代とメンテナンス代は1人当たりと考えると割高になるため割愛、単純に飲料水の値段となります。(※浄水器人気.com参考)

*浄水器はコストの1番安い蛇口式のもので1番人気の商品より算出しました。カートリッジの交換頻度はメーカー推奨の3カ月に1回としました。(※浄水器人気.com、Amazon参考)

ここからわりだされるのは明確なコスト差です。

水道水最高値と一番コストが安い浄水器を比較しても50倍くらい年間で価格差が出ます。最安値の水道水と最もコストがかかるウォーターサーバーを比較すると13,432倍にもなります。

それでも水道水を飲料水として利用しない理由とは一体何でしょうか。

飲料用として利用しない理由

水道水がおいしくない

臭いや味に関する不快感がよく取り上げられますが、水道水をまずくする物質とはどのようなものがあるのでしょうか。

臭いに関する物質では殺菌で使われる塩素の他、産業排水に含まれるフェノール類、微生物が出す臭いのもとジェオスミンなどが挙げられます。

味に関する物質では鉄、銅、亜鉛などが挙げられます。

原水に使われる水に含まれている成分をどのように濾過・浄化するかによって水の味は変わってきますので、地域によってその味は千差万別であり住む地域によっておいしい水道水かおいしくない水道水か変わってしまいます。

健康への不安

放射性物質や塩素消毒による発がん物質の生成、細菌類による汚染など飲料水として使用するには不安なニュースをよく耳にします。成人ならまだしも子供や高齢者に飲ませるには不安を感じる人も多いかもしれません。

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おいしい水道水とおいしくない水道水

水道水の水質基準

飲料に適した水質を確保するため厚生労働省ではたくさんの項目に基準値を設定しています。

その基準は全国共通です。

1958年に「水質基準に関する省令」が定められてから最新で平成27年施行となっていますからその基準値は日々更新を検討されているといっても過言ではないかもしれません。

水質基準には下記のようなものがあります。

水質基準項目(51項目)

最も基本となる基準項目です。2つの観点からその基準は定められています。

・健康に対して悪い影響を生じない:カドミウム、ヒ素などの重金属、ベンゼン、トリクロロエチレンなどの化学物質、トリハロメタンなどの発がん物質など人が一生摂取しても健康を害しないという基準で設けられています。

飲用の時に不快感がない:濁りや異様な味、泡立ちがない

水質管理目標設定項目(26項目)

水道水の安全確保に万全を期するために水質基準に応じて監視を行い水質管理上留意すべき項目です。

要検討項目と目標値(47項目)

毒性評価が定まらないことや、浄水中の存在量が不明等の理由から水質基準項目、水質管理目標設定項目に分類できない項目です。これらは将来的に水質基準項目に入ってくる可能性があります。

 

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おいしい水道水とは

上記で述べられているように厳しい水質基準がありながら、水道水はおいしくないというイメージがあるのは水質基準が消費者の求めるニーズに設定されていないからではないかと思います。

では消費者の求めるおいしい水の水質基準とはどのレベルなのでしょうか。

おいしい水とは

厚生省(現・厚生労働省)が発足させた「おいしい水研究会」が昭和60年に「おいしい水水質要件」を発表いたしました。

項目について具体的な説明と数値は以下の通りとなります。

蒸発残留物

水が蒸発した後に残る物質で成分は主にミネラル分。量が多いと苦みや渋みを感じるが、適度に残るとこくのあるまろやかな味になる。

硬度

主なミネラル分である、カルシウムとマグネシウムの含有量を示す。

おいしい水の条件としては硬度成分が適度に含まれることが必要である。硬度が低い水を「軟水」といい味にくせがない。

一方、硬度の高い水は「硬水」といいしつこい味を感じるほか、好き嫌いが分かれることが多い。

遊離炭酸

水に溶けている炭酸ガスのことでさわやかな味になるが、多いと刺激が強くなる。

過マンガン酸カリウム消費量

有機物量を示し、多いと渋みが出て、水の味を損なう。

臭気度

水についているにおいの強さを表す(においの種類は関係ない)。カビ臭や藻臭など不快なにおいが水についてくるとまずく感じる。

残留塩素

水道水中に残留している消毒用塩素のこと。衛生上0.1mg/L以上残留していなければならないが、水にカルキ臭を与えるので、濃度が高いとまずく感じる。

水温

冷たい水は生理的においしく感じる。冷やすことによりカルキ臭が気にならなくなるためおいしく飲める。

【表 おいしい水の水質要件と水質基準の比較】

表にも表されているとおり、おいしい水の水質要件より水質基準項目は甘く設定されているかそもそも設定されていない項目が殆どになります。

水質管理目標設定項目でその基準値が要件の数値と合致してくる項目が多くなりますが、残留塩素はそれでも数値が甘く設定されている現状にあります。

これが水道水にカルキ臭が残る原因といえるでしょう。

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水道水をおいしくする方法

水道水をおいしくするにはいくつかの方法がありますのでご紹介します。

冷やす

おいしい水の要件にもありますが15℃以下になりますと清涼感が増しますのでおいしくなります。

煮沸する、汲み置きして一晩寝かせる、ミキサーなどに入れて撹拌する(ミキサーのフタは開けておくこと)

上記項目を実施することで残留塩素が低下しますのでカルキ臭がなくなりおいしく飲むことができます。

煮沸するときは10分以上煮沸しますと発ガン性物質のトリハロメタンも除去できます。

ただし塩素が少なくなると細菌が繁殖しやすくなりますので冷蔵庫などで保存し、2~3日で飲みきるようにしましょう。

レモン汁を入れる

コップ1杯に対して2~3滴程度いれてみてください。すっきりとした飲み口に変わります。

竹炭を入れる

炭は塩素を吸着する効果がある他、脱臭効果もありますので汲み置きするときに水道水1リットルに対して100g程度の竹炭をいれると効果的です。

竹炭に含まれているミネラルも溶け出すのでよりおいしくなります。

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おいしい水道水の自治体の見分け方

 「おいしい水研究会」ではその当時のおいしい水道水の都市(人口10万人以上)32選として下記の表の都市を挙げています。

人生において重要なファクターとなる住居、安くておいしい水道水を利用できる自治体に住めたら生活費の負担も減り最高だと思います。

水道水がおいしいと思われる自治体とはどんなところでしょうか。

原水は地下水か良質な湧水

原水がきれいなところというのはおいしい水道水が飲めるところです。

おいしい水道水の都市32選に選出されている熊本市や米子市が例として挙げられます。

熊本市は人口80万人都市でありながら阿蘇山に降った雨水が濾過された100%地下水、米子市も大山の栄養価に富んだ土壌に濾過された良質の地下水のためとてもおいしい水になるようです。(参考:R25 2015.06.22 水道水がおいしい市町村BEST5)

高度処理を導入している

高度処理とは通常の浄水処理(凝集沈殿→濾過→消毒)の工程にオゾン処理や活性炭吸着処理、粉末活性炭処理などを組み合わせた処理方式のことを言います。

臭いのもととなる物質や渋い味を出す有機物、発がん物質であるトリハロメタンのもととなるトリハロメタン生成能を取り除くことも可能となりました。

原水がきれいではなく、大規模な設備費用を投資できる大都市向けの設備で2013年東京の「金町浄水場」に高度浄水処理施設が導入された他、大阪府でも琵琶湖や淀川の水質汚染で「大阪の水はまずい」と言われ続けていましたが、大阪府営の浄水場に高度浄水処理施設を設置し、安心して飲める水道水を送水しています。

中でも大阪市は「ほんまや」という商品名で2011年モンドセレクション金賞を受賞しました。

【表 旧厚生省「おいしい水研究会」が選んだ水道水のおいしい都市32選】


日本一まずい水道水は現在おいしい水道水に生まれ変わっている

 昭和60年「おいしい水研究会」によって日本一まずい水道水と評価されたのが東京の「金町浄水場」です。

当時産業の発展により下水など生活排水の流入量の増大と汚染の進行により河川や湖沼の水質悪化はより進行しました。

大都市圏は河川の下流に位置するため原水の水質が悪くなると殺菌として塩素の投入量を増やさざるを得ず、結果カルキ臭が増え水道水がまずくなっていきました。

平成20年度内閣府「水に関する世論調査結果」が表しているように今も大都市の水道水への不信感は拭えておらず、都市部の水道水の飲用率は平均よりも低くなっています。

都市部の水道水はまずいという漠然としたイメージがあるかもしれませんが、30年経過した現在、その状況は劇的に変わっています。

【表 東京都の水道水とミネラルウォーターの飲み比べ結果】

表は東京都の水道水とミネラルウォーターを飲み比べた結果ですが、東京都の水道水はミネラルウォーターと比較しても遜色ない程おいしくなっているといえます。

このような結果が得られるまでになった理由としましては日本一まずい水道水と評された東京都ではあらゆる項目において国よりも厳しい基準を課して水道水の品質維持をしていることが大きな要因として挙げられます。

「東京水」という商品名で平成16年7月から販売を行っておりかつてのまずい水というイメージを払拭しようとしています。

このほかにも全国各地の自治体が水道水のおいしさをアピールするためご当地ボトルウォーターを販売もしくはPR用配布などしています。

その数は100以上あり、(参考:日本水道協会ホームページ)各自治体はおいしい水道水を作り上げまたその味を知ってもらおうと努力しています。

【表 国の水質基準と都の水質目標値比較】

 

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塩素消毒は安全なのか危険なのか

水道水をおいしくなくする代表的なものにカルキ臭があります。

カルキ臭の正体とはトリクロラミンと呼ばれる物質で塩素と水中のアンモニアが反応して生じます。

これは微量でも人間に不快感を与えるので、消毒の塩素が多ければそれだけカルキ臭が増えます。

消毒で使われる塩素は良い面と悪い面があり、水道水を飲用することに対して意見が分かれる原因の1つとなっています。

残留塩素の義務

日本では蛇口から出る水の遊離残留塩素の量は0.1mg/L以上1mg/Lと義務付けられています。

それは塩素の殺菌効果は時間とともに失われていきますが蛇口まできちんと殺菌効果が保たれるようにという意図で決められています。

雑菌に汚染された水となると生活用水としての使用が怖くなりますので、消毒されているということで私たちは安心して利用できています。

うがい手洗いが励行される理由

冬の乾燥時期になるとインフルエンザウイルスが猛威をふるいます。

このとき必ず励行されるのがうがい手洗いですが何故でしょうか。

それはインフルエンザウイルスには塩素が有効だからです。

米国疾病対策センター(CDC)が行った研究によると、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)は遊離残留塩素0.52~1.08mg/Lの水に1分間接触すると99.9%以上が不活化(感染性を失う)して、塩素消毒に対して弱いことが証明されています。

水道水のうがい手洗いというのは安価でインフルエンザ予防に優れている方法といえます。

放射性ヨウ素の除去に必要

2011年3月11日の福島第一原発事故以来放射性物質が大気に放出され、3月22日には東京の金町浄水場から210ベクレル/Lの放射性ヨウ素が検出されました。

この値は国の原子力安全委員会が定めた基準を超えていて水道水の放射能汚染が現実のものとなりました。

ヨウ素を除去するのに有効な手段が塩素です。

ヨウ素はイオン形態では一般的な凝集沈殿や粉末活性炭処理はできません。

塩素と接触することで形態が変化し粉末活性炭で除去されやすくなります。

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トリハロメタンの危険性

塩素は殺菌・消毒・放射性ヨウ素の除去を可能にしますがもちろんいいところばかりではありません。

強い酸化力は人体にとって有害なものでもあるのです。

塩素消毒によって生ずる生成物で代表的なものにトリハロメタンがあります。

トリハロメタンとはメタンを構成する4つの水素元素のうち3つが塩素や臭素などのハロゲン原子に置き換わったものの総称です。

トリハロメタンの種類はクロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4種類があり、合計して総トリハロメタとン呼ばれ水質基準で全て基準値が設けられています。

【表 トリハロメタンの種類と水質基準値】

トリハロメタン生成の原因

トリハロメタンは自然の状態の水からは検出されることはありません。

生活排水などで汚れた水を、浄水場で塩素消毒するときに水中のフミン質などの有機物と反応して生じます。

フミン質は汚染物質が細菌やバクテリアなどに分解された後、最後まで残った褐色の腐植質です。

水源の汚れがひどくなりそれによって消毒の塩素の使用量が増えればそれだけトリハロメタンの量は増大します。

水道水中のトリハロメタンは本当に危険なのか

日本の水道水は、水質基準で含まれる総トリハロメタンは0.1mg/リットルと決まっています。

これは平均体重の人が1日2リットルの水を一生飲み続けたとしても発がんの可能性は10万人に1人以下という量で、喫煙による発がんリスクと比較すると格段に低い値になります。

トリハロメタンに関連する健康影響の記事をみると以下のような内容を良く見ます。

トリハロメタンは発がん物質で危険

水道水中のトリハロメタンの殆どはクロロホルムなのですが、クロロホルムはIARC(国際がん研究機関)の発がんリスクがグループ2B(ヒトに対する発がんが疑われる)であり、コーヒーなどと一緒です。

煮沸するとトリハロメタンの濃度が濃縮して危険

煮沸すると一時的にトリハロメタンの濃度が上昇しますが、日本の水道水のトリハロメタンの量は微量の為上昇してもごくわずかにすぎず3分以上煮沸すれば半減し10分以上の煮沸でほぼ消滅します。

長年摂取すると体内にトリハロメタンが濃縮されて危険

水道水中の総トリハロメタンの大半にあたるクロロホルムは経口摂取しても速やかに未変化体や二酸化炭素として体外に排出されるという結果(参考:クロロホルムに係る健康リスク評価(案)‐環境省)もあり、体内に蓄積されて危険という考えも誤りです。

水質基準規制されていることからもトリハロメタンが危険性のある物質であることは確かです。

しかしがんの発症には様々な因子があり現状水道水のトリハロメタンとがんとの関連性が決定づけられていない(参考:物質に関する基本的事項[7]クロロホルム‐環境省)以上、現状の規制値に対する安全性と危険性をのべることは推測の域をでません。

水道水を安全なものと謳っているのは自治体の水道局であり、水道協会です。そして水道水のトリハロメタンが危険と謳っているホームページでは必ずと言っていい程、浄水器やウォーターサーバーの商品記事が載っています。

私たち消費者が求められることは、行政の言い分を盲目的に信じるのではなく浄水器やウォーターサーバー業者の不安をあおるような言い分に惑わされて高い商品を購入することではありません

自治体の水道施設がきちんと管理できているのか、浄水器はきちんと性能を発揮しているのか、ウォーターサーバーの水に危険性はないのかなど冷静な目で裏付けを確認して選択していくことだと思います。

情報があふれている現代社会だからこそ賢い消費者になることを求められているのです。

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トリハロメタン発生対策

トリハロメタンの発生対策は大きく2つあります。原水を汚さないこととトリハロメタン生成能を除去することです。

原水を汚さないこととは、生活排水や工場排水の汚染を減らすことであり、下水処理場や工場の排水処理施設で水質汚濁防止法に準じた処理水を放流できるように設備や管理を充実させることです。

原水が汚れないことで塩素の投入量は減少するのでトリハロメタンの生成量は減少します。

トリハロメタン生成能を除去するにはオゾンの殺菌処理を実施することです。オゾンは塩素よりも強い酸化力を持ち二次生成物がない安定した物質ですが、持続性がありませんので塩素消毒と併用して使用されています。

 

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水道水に起こる汚染

水道水を飲料水として利用することに抵抗があるもう一つの原因は水質汚染による健康被害が挙げられます。水質汚染に関する健康被害とはどんなものがあるのでしょうか。

水質汚染による健康被害

下記に過去10年における健康影響の発生した水質汚染事故の表を表します。

【表 過去10年で健康影響の発生した水質汚染事故】

 

* 1 摂食者数が不明の場合は給水人口
* 2 水道水(受水槽水)が原因であったかは不明

(出典 厚生労働省ホームページ 水質汚染事故等の発生状況より一部抜粋)

現在でもこれだけの健康被害が発生している状況ですので、パッと見る限りですと水道水は危ないという印象を持たれるかもしれません。

しかしこの表を見ますと簡易水道や湧水、井戸水などが殆どで、人口の94%以上をカバーする上水道では発生していません。

つまり殆どの水道水はすぐに健康被害を起こすようなことはなく安全に供給されているといえる状況にあります。

 

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放射能による汚染

2011年3月11日の東日本大震災で福島第一原発から放射性物質が放出して以来、私たちが水道水に安全性を求める傾向により拍車がかかりました。

ミネラルウォーターは2006年~2010年まで18~20弱L/年・人で消費量としてはほぼ横ばいだったのが、2011年以降24~27弱L/年・人まで急激に上昇していることがなによりの証拠といえるでしょう(ミネラルウォーター協会公開データ参照)。

東京の金町浄水場にて放射性ヨウ素が検出されたことが水道水の安全性に疑問を感じさせたといえると思います。

放射性物質として有名なのがヨウ素とセシウムですがそれらをどうやって浄水場では除去しているのでしょうか。

放射性ヨウ素の除去

「放射性ヨウ素の除去に必要」の項目参照

放射性セシウムの除去

セシウムは河川中では粒子またはイオン形態で存在しています。

セシウムはプラスの電荷を帯びているため、マイナス電荷の土壌に吸着しやすくかつ水に溶けにくいという性質があります。

このためセシウムは通常の処理工程である凝集沈殿によって除去されます。福島のダム底に高濃度セシウムが堆積しているというニュース(*2016年9月25日 毎日新聞)がありましたが、これはセシウムが水に溶けず沈殿するという性質をよくあらわしていると思います。

しかしセシウムは半減期が30年と長いためかなり長い時間注意警戒を必要とします。

ダムに堆積したセシウムは浚渫すると撹拌されて上澄み水まで汚染されるということでこのままダム底に閉じ込めるということですが果たして半減期を迎える30年後までどのくらい濃縮されてしまうのかわかりません。

もしこれが福島県近隣の県のダムも同じような状況だとするならば関東圏の水道水はかなり危険な状況なのかもしれません。

少なくともこういったニュースは水道水を飲料水として利用する人を減少させる結果つながっていくことでしょう。

クリプトスポリジウムによる汚染

1996年埼玉県越生町の水道水にクリプロスポリジウムが混入し町民の71.4%にあたる8,812人が集団で下痢になる事件が起きました。日本における水道事業では初の事例となります。

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クリプトスポリジウムとは

 直径5μm程度の胞子虫類に属する原生動物で家畜やペットの腸管などに寄生しています。

これがヒトに感染しますと小腸の上皮細胞に寄生して強い下痢を起こさせます。

この原虫の最大の特徴は硬い殻で包まれているために塩素消毒では死滅させることができないということです。

地表水や伏流水、浅井戸など指標菌が検出されたところを原水としている浄水場では除去対策を講じる必要があります。

クリプトスポリジウムの除去及び不活化方法

・精密ろ過による除去:濾過池または濾過膜の出口濁度を0.1以下にできる設備が必要になります。精密ろ過することでほぼ確実に除去が可能となります。

・紫外線照射による不活化:紫外線照射で感染性を奪うという方法です。ほぼ確実に感染性を奪うことが可能な手段ですが、濾過設備との併用が望まれていること(不活化だけでは浄水に流入することが確実なため)、停電や故障に対応できるような設備を求められています。

注意が必要なのは小型・簡易設備

平成19年4月1日に厚生労働省が取りまとめた「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」が適用となりましたがその3年後平成22年に千葉県で小規模貯槽水道にクリプトスポリジウムが検出され28人の患者が発生する事件が起きました。

大規模な浄水場では設備もその管理もしっかりしているため汚染は起きづらいですが、簡易・小規模設備は設備導入や管理が行き届かないことから発生する可能性があります。

水道水の異物混入と変色

汚染以外にも水道水の安全を脅かすものはいくつもあります。それが異物混入や金属溶出による変色です。

水道水の異物混入

砂や土がでる

近くで水道管工事をした際に混ざってしまうことがあるようです。明確なトラブルですので地元の水道局に相談が必要です。

黒い異物がでる

異物が水中でフワフワ浮いている場合は蛇口のパッキンの可能性が高く、反対にスーッと沈む場合は鉄さびの可能性が高くなります。

パッキンは人体に無害な物質で作られていますので健康に影響はありませんが、漏水につながる可能性がありますので早めに修理しましょう。

鉄は人間にとって必須元素ですので微量であれば影響はありませんが、鉄およびその加工物は水質基準値(0.3mg/L以下)を設けられている物質ですので注意は必要です。

水をしばらく流してみてもなくならないようでしたら水道管の交換が必要になるかもしれませんので水道局へ相談した方が良いでしょう。

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水道水の変色

水道水に色がついておかしいと思う時があります。なんでこんな色がつくのかこれは安心なのかわからないととても飲む気が起きないと思います。それぞれの色について説明していきます。

赤い水が出る

赤い水は水道管に発生した鉄さびが原因です。

朝一番やしばらく水道を利用していないとでることがあります。黒い異物の項でも述べましたが、鉄は人間にとって必須元素ですので微量であれば影響はありませんが、鉄およびその加工物は水質基準値(0.3mg/L以下)を設けられている物質ですので多量に含むと嘔吐や下痢を催すので危険です。

水道水に鉄が多く含まれているかどうかは味覚と視覚で判別できます。味は鉄の味がしますし、視覚では0.3mg/L以上ですと水が黄色くなります。さらに高濃度になると赤褐色になります。

白い水が出る

水道水から白い水が出る原因は2つあります。

まずは水道水をコップにとってしばらく放置してみましょう。

白い水がコップの底面から透明になっていった場合は小さい気泡が混ざっていることが原因と考えられます。

その場合はそのまま使用しても問題ありません。

もし透明にならなかった場合は亜鉛メッキが溶け出していると考えられます。

これも朝一番やしばらく水道を利用していないとでることがあります。

亜鉛とその化合物に関しても水質基準値(1.0mg/L)が設けられていますが、亜鉛は人に対する毒性は低いとされていて、必要以上に摂取しても体外に排出されますので健康に問題はありません。

浴槽や洗面台が青くなる

給水管や湯沸機、風呂釜などに使用されている銅管が新しい時期には微量の銅が溶出します。

数週間から数カ月で酸化銅の被膜ができるので以降の溶出はなくなります。銅は人体にとって必須元素ですし溶け出す量もごく微量ですので問題ありません。

水道水の変色についてはすぐさま人体への影響があるというものではありません。

ですが、鉄さびの水がでてくることについてはそれで問題が解決されたわけでは当然ありません。

そして老朽化した水道管の存在はこれからの水道水の安全を考える上で最も困難な問題といえるのです。

 

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水道水が将来危なくなる3つの理由

日本水道協会で公開されている「水道の安全保障に関する検討会報告書」において日本の水道事業の抱える課題が提言されています。

水道事業の未来は危険な状況に陥ると報告されていて、安全な水道水を利用するのに不安を感じる内容となっています。

施設の老朽化

水道水の施設は昭和30年代後半~40年代に多く建設されているため、殆どが老朽化しています。

建設後40年経過した施設は平成21年度の時点で浄水場3割、管路で2割になりますが、今後さらにその数値は増える見込みです。

また頻発する地震や自然災害にも対応していかなければなりませんが、基幹管路の耐震化はまだ12%という状況です。

更新する予算のある自治体は良いですが、無い自治体は老朽化した施設をごまかしながら運営していくしかありません。

しかしごまかしながらの運営でも将来の見通しは明るくありません。

原因は技術の継承がされないことと水道収入の頭打ちの為です。

技術者の高齢化による技術の衰退

日本の水道施設の民間委託率は上水道+水道用水供給事業で4.9%しかありません。

このことからも水道施設に関するノウハウは民間では殆どもっていないことがうかがえます。

殆どが自治体でノウハウの蓄積を行っていますが、その自治体も職員の高齢化により将来の見通しは暗い見込みとなっています。

平成21年以降の10年で熟練技術職員の45%が退職予定となっています。

全国水道事業体の約7割が給水人口10万人未満であり、その技術課員数は平均5人となっています。

本来ならば技術の継承を見越して早くに人員の採用を行っていけば良いのでしょうが、運営が厳しい中小規模事業者では人員を追加で採用することは厳しい状況になります。

このまま熟練技術の継承がされないまま世代が交代していくという状況になっていくと思われます。

なお給水人口10万人未満の水道事業体では6割~7割の事業体が現在の技術力による将来の事業運営ができないと回答しています。

人口減による運営困難

水道の普及率は97.8%(※平成26年度)にも達し、殆どの国民が利用している状況です。

そのためこれ以上利用者が多くなる可能性は低いと言わざるを得ません。

しかし上記でも述べましたが、施設の老朽化による更新が必要になりかつ、利用者の水道水へ水質向上の要望は高まっていますので高度浄水処理で処理水に更に費用がかかるようになりますと、自治体の水道運営費を圧迫します。

その状況に追い打ちをかけるのが人口減少問題です。

施設の数は変わらなくても世帯数が減少すれば施設の運営するための費用が減ります。

小規模で運営している施設は人口減少が大ダメージになる可能性があり、結果運営に支障が出る可能性があります。

自治体はこの危機的状況を回避するために広域化などの対策を進めています。

しかし行政のやることは必ずしもすべてが完璧とは言えず、いい加減な仕事をされる可能性もあります。そしてそれらに対して消費者が水道水を信用しきれないことの一因を担っている可能性もあります。

日ごろ使用する水道水のことですから、計画段階から目を光らせて杜撰な計画を推し進められないように注意していくことが求められてくると思われます。

 【参考文献】

 ・「上下水道が一番わかる」技術評論社/長澤靖之

 ・「知らなきゃやばい!飲料水争奪時代がやってくる」 日刊工業新聞社/岡崎稔

 ・「水の雑学がよーくわかる本」秀和システム/杉山美次

 ・「飲料水を考える」 地人書館/和田洋六

 ・「水の基本」 誠文堂新光社/千賀裕太郎

 ・内閣府大臣官房政府広報室ホームページ

 ・東京都水道局ホームページ

 ・仙台市水道局ホームページ

 ・厚生労働省ホームページ

 ・日本水道協会ホームページ

 ・環境省ホームページ

 ・R25ホームページ

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