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水道水の塩素は沸騰させると除去できるって本当?

水道水   19,361 Views

水道水の塩素やトリハロメタンは、沸騰させるとなくなると聞いたことはありませんか?

また逆に、発ガン性が疑われている塩素化合物であるトリハロメタンは、沸騰させると増えるという噂もあります。

水道水を沸騰させたら塩素やトリハロメタンはどうなるのか。徹底的に調べました。

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水道水の塩素は沸騰させるとなくなるの?

水道水の塩素が沸騰させるとどうなるかをよく理解するためには、まず塩素とはどういうものかよく知っておく必要があります。

水道水の塩素と言われるものの正体

塩素と簡単に呼びますが、塩素にはいろいろな種類があり、それらを総して塩素という場合もあれば、細かな区分の一つを塩素と呼んでいることもあります。塩素とは本当はどういうものなのでしょう?

有機塩素(有機塩化物)と無機塩素(無機塩化物)

塩素を区分する一つには、有機塩素と無機塩素、もしくは有機塩化物と無機塩化物があります。有機塩素と有機塩化物とは同じで、無機塩素と無機塩化物とは同じです。

塩化物とは、塩素がそれより陽性な元素または原子団と形成する化合物で、塩素の結合がイオン性の場合、塩化物イオンとなります。

では、有機塩化物と無機塩化物とはどう違うのでしょう?

有機塩化物とは、塩素が他のものと反応した結果形成される、安定な共有結合化合物です。

炭化水素化合物の水素が塩素に置き換わった炭素塩化物には、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどがあります。どちらもドライクリーニング洗浄剤、金属の洗浄剤などに使われており、平成元年まで法令による定めがなかったため、それらを使用していた工場やクリーニング店から漏れたものが地下に浸透し、地下水から検出されたこともあります。

発ガン性のある可能性が高く、毒性も高い物質なので、現在では基準値が設定されています。

揮発性が高いので、河川などに含まれている場合にはほとんど検出されません。

その他の塩素化合物には、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムなどがあり、水質検査の基準値が設けられているこれらの総称を総トリハロメタンと言います。

植物が腐敗する時に発する有機物の一群であるフミン質と、消毒に使用される塩素とが反応して形成されるものです。

これらのトリハロメタンのうち、水道水によく含まれるものはクロロホルムですが、これらは発ガン性や催奇形性が疑われており、そのような物質が水道水中にあることを心配する人の中には、トリハロメタン(クロロホルム)を塩素と呼んで、水道水には塩素があるからガンにかかる、と言う人もいるようです。

無機塩化物とは、塩素が他のものと反応した結果生じる、不安定な化合物です。

例えば、塩化ナトリウムのような金属塩化物があります。

金属塩化物はたいていイオン結合性が高く、水に溶けやすい性質を持っています。

他には、アンモニウムなどの有機物と塩化物イオンによって形成された塩があります。

水道水の消毒には次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素剤を用いているため、この無機塩化物である次亜塩素酸ナトリウムも塩素と呼ばれます。

次亜塩素酸ナトリウムの化学式は「NaClO」で,食塩(NaCl)に酸素原子が一つ加わった構造をしています。

このため、酸素原子と離れて、周りの有機物を酸化させ、自身は単なる食塩になろうと働きます。

塩素の消毒・殺菌作用はこの働きを利用して、周りの雑菌などを酸化して壊して、塩化ナトリウム水溶液(食塩水)に変化します。

塩素を使って消毒・殺菌するという場合の塩素は、まさにこの次亜塩素酸ナトリウムを指しています。

有効塩素と残留塩素

また、塩素には、有効塩素と残留塩素という区分もあります。

浄水場で使われる、殺菌効力のある塩素系薬剤を有効塩素といい、殺菌・消毒してからもなお水中に残留している有効塩素のことを残留塩素と言います。

水道の蛇口から出てくる水道水中に含まれる塩素は残留塩素のことです。

どちらも、普通に塩素と呼ばれていますね。そしてさらに、残留塩素には、結合塩素と遊離塩素の2種類があるのです。

結合塩素と遊離塩素

結合塩素とは、塩素が、水中の汚れの原因である窒素などと結合してできた、クロラミンという無機塩素の事を言います。

具体的に言うと、塩素が、窒素と水素の結合体であるアミンやアンモニアと結合して、水中をきれいに保つためにできた物質で、安定しており、殺菌力や毒性も低い物質です。

一方、遊離塩素とは、水中の塩素ガス分子(Cl2)と次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl-)の三種類の濃度を合計した値で、不安定な状態にあり、周りにある様々なバクテリアや殺菌と反応(酸化)して、破壊していきます。

次亜塩素酸イオンとは、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カリウムなどから、ナトリウム、カリウムなどの塩類がとれてイオン化したものです。結合塩素と比べて殺菌力や毒性の高い物質です。

一般に水道水中の塩素やカルキを抜く、という話をする時はいつも、遊離塩素のことを指しています。

塩素とカルキ

水道水の塩素はカルキ臭いとよく言われることから、塩素とカルキは同じであるように一般に思われていますね。

しかし、カルキとは本当は、オランダ語が語源の石灰(さらし粉)のことを指します。

また、ドイツ語でクロームカルキというのは、塩化石灰です。

塩化石灰は消石灰に塩素を吸収させて作られるもので、固形化させた塩化石灰はプールの消毒によく用いられています。

この塩化石灰を水に溶かすと次亜塩素酸カルシウムになります。

つまり、カルキとは次亜塩素酸カルシウムのことで、水道水の消毒に使われているのは次亜塩素酸ナトリウムですから、厳密にはカルキは水道水には入っていないのです。

ただ、現在では一般にカルキは次亜塩素酸ナトリウムを指して使われることが多いので、塩素(この場合は次亜塩素酸ナトリウム)とカルキは同じと思って良いです。

水道水の塩素は沸騰させるとなくなるのか?

このように、塩素と言われるものには、大きく分けるとトリハロメタン(クロロホルム)と、次亜塩素酸ナトリウムがあることがわかりました。

また、次亜塩素酸ナトリウムも、その反応の過程において、有効塩素と残留塩素に分けられますが、有効塩素は浄水場での塩素を指すので、水道水中の塩素の話をする時は残留塩素であることがわかりました。

そして、その残留塩素は結合塩素と遊離塩素に区分されますが、結合塩素はすでに反応を済ませて安定しており、残留性は高いが殺菌作用は低く、毒性も低いことから、除去について考える必要はありません。

一般に体への影響を心配されているのは、水道水中の遊離塩素と、塩素化合物であるトリハロメタンです。

 

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水道水中の遊離塩素は沸騰させるとなくなるのでしょうか?

はい、無くなります。沸騰させると遊離塩素はほぼすべて取り除くことができます。同時にカルキ臭さもなくなります。

ただし、水の殺菌効果も全くなくなりますので、沸騰後はすぐに消費する必要があります。

また、沸騰させることで、水道水のミネラル成分もなくなって、無味無臭の水になります。

水道水を沸騰させることによるデメリットは、水中の金属や鉄、カルシウムは、沸騰させることでかえって濃くなるということです。

水道供給配管に、鉛管を使っている地域もあり、鉛が水道水に溶けて体内に入ると残留するので、配管を鉄かステンレスに変える必要があります。

鉛が心配なら、イオン交換膜型浄水器を使うとすべて取り除くことができるのでお勧めです。

水道水のトリハロメタンも沸騰させるとなくなるのでしょうか?

浄水場から提供される水道水に含まれている塩素やトリハロメタンは、基準値の範囲内に抑えられているので、体に影響を与えるほどではないのですが、トリハロメタンには発ガン性や催奇形性が疑われていて、環境汚染物質としても取り上げられています。

また、トリハロメタンは体内に取り込まれても分解されず、肝機能障害を起こすなどと言われているため、水道水のトリハロメタンを取り除きたいという声は多く聞かれます。

沸騰させるとすぐにほぼゼロに近く取り除かれる塩素と違って、トリハロメタンは沸騰させると増えるという実験結果も出ています。

実際、沸騰直後のトリハロメタンは通常の2,3倍になるけれど、その後沸騰を続けると10分~20分でほぼ取り除かれます。

つまり、塩素同様、トリハロメタンも沸騰すれば取り除くことができるのです。

ただし、長時間沸騰させるのは効率的ではないため、浄水器を用いて除去させるほうが手っ取り早く、一般的です。

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水道水の塩素は何分沸騰させたら除去できるのでしょうか?

水道水の塩素は沸騰するとすぐに除去されるといいましたが、実際何分ぐらいで除去できるのでしょうか?

また、トリハロメタンが増加しては沸騰させている意味が無いので、塩素もトリハロメタンも取り除くためには何分ぐらいの煮沸が最適なのでしょう?

これについては、いろんな実験結果があります。

水道水の塩素を沸騰させる時間についての実験結果

岡山の美作大学の1995年の論文には、東京水道水試料では,煮沸後2分で未加熱水道水中の全トリハロメタン濃度の0~33(平均14%),4分で0~10%(平均2%),6分で0~2%(平均0%)となり,4分でほぼ消失した結果が報告されています。

津山水道水試料では2分で未加熱水道水中の全トリハロメタン濃度の7~110%(平均38%),4分間で0~31%(平均9%),6分間で0~13%(平均4%),8分で0~6%(平均1%)となり,6分でほぼ消失したとの結果が出ています。

また、冬場の方が除去に時間がかかるということも同時に報告されています。

北海道大学の1982年の博士学位論文には、冬季(1月)の水道水煮沸実験では,未加熱水道水の全トリハロメタン濃度の10%になるのに30分以上かかっているとの記述があります。

また、吹田市の市民グループの結果では,夏期8月の水道水で5分程度,冬期12月で10分程度でほぼ消滅するとあります。

大阪水道局が昭和55年(1980年)におこなった煮沸テストのグラフからは、もともと20ppbであったトリハロメタン値が、沸騰時点(100℃)で3~4倍の約70ppbになり、10分加熱した時点で約12ppb、50分でゼロになると読み取れます。

また、素人がおこなった実験結果では、塩素の濃度に注目していて、もともと0.2㎎程度の塩素濃度が、沸騰時点で0.04㎎程度、2分経つと0.02㎎まで減るが、それ以上は10分以上加熱しても全くゼロにはならなかったという実験結果もありました。

三重県企業庁のサイトでは、トリハロメタンは沸騰して5分ほどすると一時的に水中濃度が高くなるが、10分以上沸騰を続ければ気化して除去することが可能だと述べられています。

このような結果を取りまとめると、塩素またはトリハロメタンの除去時間は、もともとの塩素濃度や気温や火力によっても、若干変わってくるものであるし、どのくらいの濃度でほぼ消滅と捉えるのかによっても変わってくるものではあります。

ただ、塩素の正体である次亜塩素酸ナトリウムの沸点が101℃であるために、沸騰直後に塩素は気化され、水中の塩素濃度はほぼゼロになると考えて良いと思います。

トリハロメタン濃度について言うと、やはり沸騰直後は増加するが、10分以上の沸騰で低い数字に抑えられ、それ以上は緩やかな減少しかしないことがわかりました。

沸騰すればするほど濃度は下げられますが、現実的に10分程度の煮沸で十分かと思います。

どうしてもゼロにしたいというのであれば、浄水器の使用、または併用をお勧めします。

次亜塩素酸ナトリウムはどのフィルターの浄水器でも容易に除去されます。

中空糸フィルターでは塩素化合物であるトリハロメタンは除去されませんが、細菌はカットされます。

また、トリハロメタンは活性炭フィルターによって除去することができますので、これらフィルターの性能によって併用も考えれば良いと思います。

浄水器はフィルターに雑菌が繁殖しやすいので、フィルター交換は正確に行う必要があります。

 

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水道水を沸騰させる時のやかんによる塩素濃度の違い

水道水を沸騰させる時に使うやかんの質によって、塩素濃度が違ってくるという面白い結果もありますので、ここに紹介します。

それは、民間団体「お茶と水研究会」(事務局・浜松市芳川町の大学産業)の実証実験によって明らかにされたものです。

どのやかんでも沸騰するまでの間に塩素濃度が約半分になるところまでは同じでしたが、鉄製の蓋付きやかんだと沸騰後10分間で全て塩素が消えたのに対して、ステンレス製の蓋ありだと、はじめは少し減るが、10分後以上で元の塩素濃度に戻ってしまうという結果になったのです。

やかんの質で言うと、塩素は鉄製、アルマイト製、ステンレス製、ホーロー製、ガラス製の順で早く減ることが報告されています。

ちなみに、上記に触れた美作大学の実験はアルミ製(アルマイト製)を使用していましたが、おそらく蓋なしで実験されたものと思われます。

このように、鉄製のやかんで沸騰させると塩素が少ないと言われるのは、鉄が塩素と反応し、塩素を蒸発させる代わりに塩化第二鉄(FeCl3)を生成するからです。

この塩化第二鉄は実は有毒ですが、非常に微量なため、健康上問題ありません。逆に鉄分不足を補えると考える人もいます。

一般的なステンレスのやかんなどで沸騰させると、結合塩素は沸騰時間にもよりますが多少残りますが、鉄製だと塩素は鉄と反応するために完璧に取り除くことができるのです。

完璧に塩素除去したいならば、鉄製のやかん「南部鉄瓶」などを使うと良いですが、取扱に注意が必要で、使用後また火にかけてよく乾かさないと、サビがついてしまいます。

一度サビが出ると金気臭くなりますが、鉄瓶で沸かしたお湯はまろやかでおいしい、甘くなるなどといわれます。

ただ、高価ということもあり、浄水器の方が簡単に塩素除去できるので、そこは考えものですね。

鉄製のやかんで塩素除去すると塩素はなくなりますが、微量な毒が出ますし、その他の材質のやかんだと多少塩素が残る、どちらにしても、健康上問題にするほどのことではないので、やかんの質にこだわることもあまりないかと思われます。

水道水の塩素除去、やかんの蓋は開けておくべき?

水道水を沸騰させて、塩素を気化させ大気中に逃がすためには、やかんの蓋は開けておくほうが効率的に塩素除去できます。

もちろんトリハロメタンも同様です。

先程の「お茶と水研究会」の実験結果でもあったように、蓋付きのステンレス製やかんでは10分で塩素は減りませんでした。

また、電気ポットには、やけどなどの心配がないように、蒸気が全く出ない蒸気レス機能があるものもありますが、これだと蒸気がポットに戻る仕組みになっているので塩素除去・トリハロメタン除去したい人には向きません。

またカルキ抜き機能のついているものもありますが、沸騰時間は5分程度なので、トリハロメタンも除去したい場合、2,3回カルキ抜きをする必要があります。

ポットによっては一度電源を切ってからまた沸騰ボタンを押さないと機能しないポットもあるようです。

水道水の温度がどのくらいで塩素はなくなるの?

塩素がなくなるのは、水道水の温度が何度ぐらいの時でしょう?

次亜塩素酸ナトリウムの沸点は101℃なので、水が沸騰を始め101℃を超えた時から順に分解をはじめ、なくなります。

一方、トリハロメタンの沸点は約65℃ですが、塩素と有機物の反応が加熱することによって活発になり、一時的に増加しますが、ある程度加熱を続けるとどんどん減少していきます。

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水道水の塩素除去に沸騰させたお湯はどのくらい保存できるの?

沸騰して塩素を除去してしまった水は、消毒作用がない状態ですので、できるだけ早く消費する必要があります。

沸騰して冷ました水を冷蔵庫に保存することはできますが、長くても1週間が保存限度です。

できれば2,3日中に飲んでしまいましょう。保存状態によっては、半日ももたないこともあるので、注意が必要です。

浄水器を通した水も、塩素が除去された点は同じですので、同様にすぐ消費する必要があります。

水道水の塩素を沸騰以外に除去する方法

水道水の塩素除去には、沸騰や浄水器以外にもいくつか方法があります。

飲料用の水の場合、ペットボトルに汲み、日光を当てて除去する方法や、冷蔵庫に一晩保存する方法、レモンやお茶の葉を入れる方法、活性炭を水差しに入れて塩素を吸着させて除去する方法などです。

詳しくは別記事「水道水の塩素除去の方法と影響とは?」を参照してください。なお、トリハロメタンについては、沸騰、浄水器、活性炭によってしか除去ができません。

水道水の塩素は沸騰させることで除去できるかについてのまとめ 

水道水を沸騰させると塩素が除去されるかについて見てきましたが、塩素の正体である次亜塩素酸ナトリウムも塩素化合物であるトリハロメタン(クロロホルム)も、沸騰を続ければ気化されて取り除けることがわかりました。

水道水はそのままで飲んでも体に悪影響はないのですが、乳幼児や子供のために知っておくと安心ですね。ぜひこれからも健康を守るために今回の記事を参考にしてください。

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