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水道水の塩素除去の方法と影響とは?

水道水に入っている塩素の影響が気になる方はすごく多いです。実際に水道水の塩素は私たちの体にどのような影響があるのでしょうか?また水道水を塩素から除去するためにはどのようにすれば良いのでしょうか?これらについて徹底的に調べましたのでお伝えいたします。

水道水にはなぜ塩素が含まれるの?

水道水は河川や湖、沼、ダム、地下水などから採取した水を浄水処理場で不要物を取り除く、ろ過する、消毒するなどの処理を行って我々の家庭に届けられるものです。

それら、自然の水源には、湧き水のように綺麗な水のところもあれば、産業の発展に伴って汚染されてしまったような水もあります。

日本の水道局では、水を病原微生物や雑菌、体に害になる物質などのない、きれいで安全な状態で届けるために、塩素を使って消毒しています。

塩素は、強い殺菌作用と、漂白作用がある成分で、一般の家庭でも、家庭用漂白剤や除菌剤としてよく利用されています。

プールの消毒に使われているのも、塩素です。塩素は独特のにおいがしますし、薄めた漂白剤でも素手で触ると手があれてしまう人も多いので、飲み水に塩素が含まれているというのは体にとって良くない、と言う意見も多いです。

しかし、塩素消毒、殺菌をせずに水道水を供給するというのは、病原性大腸菌O157、コレラ菌、ノロウィルスなどが発生するような不衛生な水を供給することでもあります。

塩素消毒はそういった病原菌のほかに、アンモニア態窒素や鉄の除去にも役立ちます。

また、塩素消毒は、容易で確実である以外に、残留効果があるために浄水場から家庭の蛇口まで消毒効果が持続すること、残留塩素の測定や管理が簡単であることなどから、日本では消毒剤として塩素を使用しているのです。

塩素消毒は安全できれいな水のためには欠かせません。

こういった理由で、日本の水道水には必ず少なからず、塩素が含まれているのです。

水道水の塩素が私達に及ぼす弊害

前述したように、水道水の塩素には、メリットもデメリットもあります。消毒、殺菌面ではとても恩恵を与えてくれる塩素ですが、塩素単体は強い毒性をもつというのは事実です。

もちろん水道局では、塩素の濃度を定期的、場所によっては24時間監視して、水道水の塩素の濃度が高くも低くもならないように管理しています。

日本の塩素濃度は0.1mg/L以上、1mg/L以下の範囲で供給されています。

これに関して、WHO(世界保健機関)では、塩素濃度が5mg/L以下であれば、体重60キロの人が毎日2リットル飲み続けても体に問題は起こらないと発表しています。

日本の値はこれに比べてもかなり低いので、一般的に水道水をそのまま飲んでいても悪影響はないのです。

ただ、やはり一部の敏感な人には塩素の入った水道水にはいくつかの弊害が見られるようです。

その弊害の例をあげてみると、

・肌への影響

・髪の毛への影響

・トリハロメタンに対する不安

などです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

水道水の肌への影響

水道水に含まれる塩素には、強い酸化力があります。

そのため、水中に含まれる細菌等の細胞膜を破壊できて殺菌することができるわけですが、そのタンパク質を傷めて酸化させる性質によって、皮膚をも傷めてしまうのです。

同時に、保湿能力やバリア機能を低下させる性質もあります。水道水程度の塩素濃度では、たいてい人には影響がないのですが、もともと皮膚疾患のある人、アトピーの人、肌が敏感な人には、乾燥や、ヒリヒリ、ムズムズした刺激などの肌トラブルが起こったりします。

また、乳幼児や子供の肌は、大人と比べて表皮の厚さが半分くらいしかないので、影響を受けやすいので注意が必要です。そしてアメリカの報告では、塩素は粘膜の水分を奪うので、ドライスキンや小ジワの原因になるとも言われています。

水道水の髪の毛への影響

同様に、塩素の強い酸化力によって、髪のキューティクルも傷めてしまいます。

キューティクルとは髪の表面を覆う表皮のようなもので、髪の毛を保護する役割があるのですが、これが傷んでしまうと、枝毛やパサツキ、乾燥髪になってしまいます。

髪の毛には再生力がないので、傷んでしまった髪はもとには戻りません。

水道水に含まれるトリハロメタンへの不安

もう一つ、とても心配されるものに、水道水中に存在するトリハロメタンの存在があります。

トリハロメタンは塩素消毒の際に、現行の浄水処理で除去しきれない有機物と塩素が反応して生成されるものです。

この有機物の代表的なものは植物が腐敗する時にできるフミン酸やフルボ酸類です。

トリハロメタンは炭化水素であるメタンを構成する4つの水素原子のうち3つが塩素、ヨウ素、臭素などのハロゲン(第17族元素とも言う、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と塩を形成するので、ギリシャ語で塩を作るものと言う意味の言葉)に置換したものです。

結合しているハロゲンによってトリハロメタンは何種類もありますが、その中で総トリハロメタンとは、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4つのトリハロメタンの総称で、水道水中に最も多いのはクロロホルムです。

このうちクロロホルムとブロモジクロロメタンは、「発癌性があるかも知れない物質」として勧告されています。国際がん研究機関(IARC)によると、これはグループ2Bに分類され、コーヒーや漬物と同レベルになります。

また、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムはグループ3「発癌性を分類できない物質」に入ります。

同時に国際がん研究機関は、トリハロメタンが人に発がん性を示す証拠は無いとも発表していますので、あまり心配することではありません。

しかしトリハロメタンは発癌性の他、催奇形性も疑われているのは事実で、クロロホルムについては、肝障害や腎障害も起こりうると考えられています。

トリハロメタンが人体に及ぼすかも知れない、と考えられている症状には他に、中枢機能低下、呼吸器疾患悪化、血管障害などがあり、喘息、心臓病、脳卒中、痴呆、イライラ、疲労、無気力の原因になるのではないか、とも考えられています。

流産率がアップする可能性も指摘され、アレルギーとの関係もよく研究されています。

水道水の塩素除去がアトピーには効果大!

アレルギー反応によって皮膚の炎症を伴うアトピー。原因は解明されていませんが、日本には2014年度で45万6千人もの患者がいます。

アトピーを悪化させる原因には様々なものがありますが、水道水の塩素がアトピーを悪化させている、と考える人もたくさんいます。

ある皮膚科クリニックの調査によると、アトピーがホコリや布団で痒くなる人は14%、プールで悪化する人は22%、お風呂で痒くなる人は34%でした。また、そこのアトピー患者には、塩素濃度がプールの水より高い水を常時利用していた人もいたようです。

他の例で言うと、アトピー症状を訴える人が増え始めたのは1960年代後半で、高度経済成長期に伴う水質汚染を心配して塩素投入量が増えたのも同時期であるから、水道水の塩素がアトピーに関係していると言われます。

また、1986年の米国化学学会では、塩素は25度でガス化、気化しやすいため、お風呂では密室に塩素が充満することから6~100倍の塩素の摂取量になると発表されました。

前述のお風呂でアトピーが悪化というのは、塩素量が多いから悪化したのだと考えると辻褄が合います。

実際、シャワーヘッドを塩素除去できる浄水ヘッドに取り替え、浄水器を通して浴槽にお湯を溜めるようにしてシャワー、入浴するようにしたアトピー患者の中には、症状がましになった、改善したという報告がたくさんあります。

また、九州大学の助教授による報告にも、「成人アトピー性皮膚炎患者を対象として二重盲検法(医師にも患者にも本物か偽物かわからないようにして、両者の期待・評価などをとり除くことで、科学的根拠を証明できる方法)にて、塩素除去シャワーヘッドの効果が明らかになった。」と皮膚への障害物除去がアトピー治療に有効である考えを報告しています。

水道水の塩素除去の方法

水道水から塩素を除去する方法には、いくつかあります。汲み置きをして長時間放置する事で塩素を抜く方法(揮発させる)や、沸騰させることで塩素を蒸発させる方法、水道水にレモン汁やビタミンCやアスコルビン酸を入れて中和させる方法、フィルターを通すことで塩素をはじめとするいろんな不要物を取り除く方法などがあります。

それぞれについて詳しく述べていきます。

水道水の塩素除去に汲み置きは効果がある?

水道水に含まれている塩素には、揮発性(常温で気体となって発散する)がありますので、汲み置きし、長時間放置しておくと次第に塩素濃度が薄くなります。

これは、物質が濃度の高いところから低いところへ移動して、全体に均一になろうとする性質から、液体中の塩素分子が気体中に拡散することで起こるのです。

ですから、汲み置きと言っても、密閉状態では効果はありません。塩素分子が自然に気化できるように蓋をしないで汲み置きしておく必要があります。

水道水に塩素を混ぜた時の反応はCl2 + H2O → HClO + H+ + Cl-とあらわせます。

つまり、次亜塩素酸と水素イオンと塩化物イオンになるのです。ですから、次亜塩素酸を分解していくと、水中の塩素は除去できることになります。

そして、次亜塩素酸は、光分解して塩酸と酸素になることができます。その時の反応式は、2HClO → 2HCl + O2と表すことができます。

つまり、気化させること以外に、紫外線によって光化学反応させると、もっと簡単に水道水の塩素除去ができるのです。

ただし、光分解できるのは、光の波長が250~350nmの場合で、太陽光はちょうどこの波長を含んでいるために光分解できますが、蛍光灯の光はこの波長を含まないため、室内では光化学反応は起こりません。

また、通常のペットボトルはこの250~350nmの波長の光を透過するため、ペットボトル内の水道水を光分解し、塩素除去することは可能です。

ただし、UV吸収型のペットボトルはこの波長の光を透過しないため塩素除去することはできません。

塩素を除去するのに必要な時間は、温度や水の量によっても変わってきますが、日光にあて、バケツ一杯分くらいの水を汲み置きした場合は大体6時間ぐらいで塩素がぬけるようです。

冬期や、曇りの場合にも、1日置いておくと塩素除去できます。室内で、光分解できない場合には、2,3日ほどかかります。

飲料水として利用したい場合は、蓋なしで汲み置きしておくと衛生上よくないので、ペットボトルに入れて蓋をした状態で紫外線がよく当たる場所に6時間ぐらい置いておくと塩素除去できます。

ただし、塩素除去した水は殺菌力がないので、すぐに飲んでしまわないと腐ってしまうので注意が必要です。

また、水道局で推奨されている方法に、冷蔵庫に一晩汲み置きしておくというのがあります。

一晩で簡単に塩素が除去できるほか、雑菌の繁殖も防げ、冷えた状態でおいしくいただけるのでおすすめです。

魚などを飼育するための水槽の水には、昔は汲み置きの水を使うのが一般的でしたが、最近では安くカルキ抜きの中和剤などが売られていますので、それを利用するのが一番手っ取り早く簡単です。

ただ、水槽の水を入れ替える時には、「三分の一換水」と言って、全体の水量の3分の1ぐらいを新しい水に変える方法が、一番魚の負担にならずに良いとされています。

その時、カルキ抜きをした水を入れるよう推奨されていますが、カルキは抜かなくても、残りの3分の2の水や水中の物質と混じり合うことで自然にカルキが抜けてしまうとする説もあります。

水道水の塩素除去に煮沸は効果ある?

水道水の塩素除去をするもう一つの方法は、沸騰させることです。

これによって、水中に含まれていた塩素は全て気体になって水中から出てしまいます

塩素である次亜塩素酸ナトリウムの沸点は101℃なので、沸騰させると分解してなくなってしまいます。

同時に、カルキ臭やカビ臭もなくなりますので、飲みやすい水になります。煮沸時間について言うと、塩素自体は沸騰するとすぐになくなりますので、深く考える必要はありません。

自動湯沸かし器のポットにも、カルキ抜き機能が備わっているものもありますが、沸騰したらすぐに止まるように設定されています。

ただし、発ガン性が疑われているトリハロメタンも除去したいなら、蓋なしに15分以上沸騰させる必要があります。

なぜなら、トリハロメタンには、沸騰した直後で一番増加し、通常の3倍ほどになるという性質があるからです。

ただ、しっかり時間をかけて沸騰させればトリハロメタンも除去することができます。

また、水道局によれば、水道中のトリハロメタンの量は、人間が生涯にわたり連続して摂取しても健康に影響が生じない基準に抑えられていますので、心配することはありません。

水道水の塩素除去に何を入れるとよい?

水道水の塩素除去については以上に説明した、汲み置き、煮沸の他に、水道水に何かを入れることによっても除去できる方法があります。

上記の方法よりも素早く効果が得られますし、大量の水にも使えます。

水道水の塩素除去にビタミンCを入れる

水道水中に含まれる塩素の単体分子Cl2は他の分子と反応して相手を酸化させ、無害な状態に変化させる性質があります。

電子と結びついて、無害な塩素イオンを生じるというふうにです。

ビタミンCには、この反応を助ける働きがあり、電子を塩素に提供してくれるので、簡単に塩素を除去することができます。

ビタミンCと塩素との化学式は以下のようになります。

C6H8O6(ビタミンC) + NaClO(次亜塩素酸ナトリウム)

→C6H6O6(酸化ビタミンC) + H2O(水) + NaCl(塩化ナトリウム)

浴槽の水道水の塩素除去をしたい場合は、入浴一時間前にビタミンCを入れて浴槽内の塩素と全て反応し終わるのを待ってから入浴すると良いです。

浄水器などと比べて比較的お手頃な価格で塩素除去できるし、簡単に薬局や通販で購入できるため敏感肌やアトピーでお悩みの人には評判も良いようです。

ただし、塩素を中和させると強酸性となるため、刺激を感じやすい人にはかえってトラブルを起こす可能性もありますので、注意する必要があります。

ビタミンCの量は、お風呂200リットルにおよそ0.2gで効果があります。また、これに重曹をひとつかみ入れるとお湯がさらにマイルドになるようです。

ただ、飲み水に使う場合は食用のビタミンCにしなくてはいけません。食品添加物等の記載があれば大丈夫です。

水道水の塩素除去にアスコルビン酸を入れる

水道水の塩素除去にはアスコルビン酸が良いという話を聞いたことはありませんか?

アスコルビン酸というと難しい薬品のようなものを想像してしまいそうですが、ビタミンCの正式名称をL-アスコルビン酸と言うので、上述のビタミンCと同じと考えて差し支えありません。ラクトン構造を持つ有機化合物の1種です。

ビタミンCには、天然のビタミンCとアスコルビン酸のように合成された水溶性の粉末ビタミンCと、栄養補給の目的で摂取するビタミンCなどがあります。

天然のビタミンCは野菜や果物などの食物から抽出されたもので高価です。

アスコルビン酸は合成されたものとはいえ、天然ビタミンCと化学的構造は同じで、その効果もほぼ同じ、ですが低価格で提供されています。

サプリなどのビタミンCは、飲みやすいように甘くしたり加工してあるので比較的高価ですが、アスコルビン酸はそのままでは苦かったりすっぱかったりして、飲みにくいというデメリットがあります。

アスコルビン酸は、浴槽、水槽などの塩素除去以外にも、食用であれば、飲料水としての水道水の塩素除去にも利用できます。

お風呂の塩素除去には、ビタミンCの時と同様に、200リットルのお湯にアスコルビン酸を200mg(0.2g)入れると効果があります。

水道水の塩素除去にレモンを入れる

コップにそそいだ水道水に、レモンの汁を入れると、塩素と化学反応を起こして、酸化ビタミンCと水と塩になります。

コップ1杯の水に一滴でよいので簡単です。

スライスしたレモンを入れるともっとたくさんの量の水道水から塩素を除去できます。塩素だけではなく、カルキ臭やカビ臭など、水道水の嫌な匂いも一瞬で消してしまえて、爽やかなおいしい水になるのでいいですね。

本物のレモンとポッカレモンなどの食卓用レモン汁とでは、大した違いはないようです。

ここではレモンを紹介しましたが、レモンだけでなく、ビタミンCを大量に含むフルーツの果汁やジュースなら、どれでも代用可能です。おいしいといえばレモン以外にないでしょうが、アセロラ、キウイ、柿、パパイヤ、ゆず、ライム、みかん、パイナップル、ぶどう、いちご、リンゴやトマトなどでも塩素除去できます。

同様に、浴槽の塩素除去をしたい場合には、ビタミンCを多く含む柑橘類の皮などを入れると塩素除去できます。

水道水の塩素除去に活性炭を入れる

バーベキューなどに使われ、一般に炭と言われる木炭も、多孔質で微細な孔によって表面積がとても広いことから、昔から消臭や水の浄化に使われてきました。

最近ではその炭の特徴をさらに活かせるように、木炭などを1000℃近い高温で加熱処理して、人工的に活性炭と呼ばれるものが作られています。

活性炭の中には、見えない隙間がたくさんあり、たった1グラムの活性炭の表面積は1000㎡もあるそうです。

そこに比較的なんでもくっつけてしまう性質があるので、いろんな不純物のほか、湿気や匂いも吸着してくれます。、その活性炭をよく洗って煮沸消毒した後、6時間ほど水道水に入れておくと、塩素はすっかり活性炭に取り込まれ、除去されます。活性炭は時々天日干しするだけで、何回も使えるので、経済的でもあります。

水道水の塩素除去にお茶の葉を入れる

お茶の葉には、カテキンという渋みの主成分が含まれています。

このカテキンはとても酸化しやすい性質を持っていますので、塩素と反応して取り除いてくれるのです。ですから、コップの水道水に緑茶、ほうじ茶、紅茶などの葉をひとつまみ入れるだけで塩素を抜くことができます。

同様に、ティーパックなどにお茶っ葉を入れて、浴槽に浮かべても塩素を取り除いてくれます。

水槽のカルキ抜き(塩素除去)に中和剤を入れる

魚などの飼育用に水を用意する時、水道水そのままでは塩素濃度が高いため、カルキ抜き(塩素除去)をする必要があります。

昔は日光の当たるところに汲み置きをして、塩素が揮発、光分解するのを待っていましたが、今では浄水器がありますし、カルキ抜き用の中和剤があるため、素早く用意することができます。

よく使われる中和剤にはハイポと呼ばれるものがあります。様々なメーカーの中和剤がありますが、大抵ハイポ、正式名はチオ硫酸ナトリウムを含んでいます。

化学式 Na2S2O3 で表されるナトリウムのチオ硫酸塩です。

塩素やハロゲンの単体を取り除く効果があるので、水道水10リットルに 2mlほどの中和剤を入れると水生生物の飼育に適した水になります。

反応後、ハロゲン化水素酸や硫酸、塩素、塩などが発生しますが、水道水中の塩素濃度は低いため、それほど強酸になることはなく、生物に悪影響は及びません。

水生生物の排泄物と塩素が反応すると有毒なクロラミンなどを生成することがあるので、それを防ぐためにも、中和剤は良い役割を果たしてくれています。

チオ硫酸ナトリウムは漂白、酸化防止効果もあるため、国によっては食品添加物として使われていますが、日本では認められていませんので、飲料としての水道水に用いることはできません。

水道水の塩素除去にフィルターを通す

これまでさまざまな塩素除去法を述べてきましたが、一番手っ取り早いのは浄水器を用いることです。

浄水器内部にはフィルターが内蔵されていて、ここに水道水を通す事によって、様々な物質が取り除けます。 

フィルターには、いくつか種類がありますが、どれもミネラル分は損なわないで、塩素以外に、ニゴリ、鉄サビ、一般細菌、大腸菌、原虫類など微細な汚れを除去する効果があります。

フィルターを使った浄水器の原理は主に2種類にわけられます。

一つは、吸着させる事によって塩素を含む不要物を除去する方法です。

活性炭フィルターや中空糸膜フィルターが用いられます。

もう一つは、浸透圧を利用して不純物を分離させる方法で、逆浸透膜フィルターなどが用いられます。

活性炭フィルターは、非常に大きな表面積を持ち、表面からの引力によって水中の微粒子を孔に引き込みます。

その時に不純物を活性炭の中に取り込むことで、水をきれいにします。

活性炭は炭を1000℃近い高温で加熱処理することで人工的に作られたものですが、耐熱繊維のフェルトや織物も同様に高温で加工することができます。

そうやって表面を活性炭化させた活性炭素繊維は活性炭よりもさらに孔が細かいので、微粒子を除去でき、フィルターやマスクにも活用されています。

中空糸膜フィルターは細い筒状のポリエステル繊維を束ねたフィルターで、その繊維にも細かい孔があるため、小さな容積の中にとても大きなろ過面積が得られます。

そこに塩素などの不純物粒子が吸着されるので、活性炭フィルター同様よく使われています。

浸透圧を利用して浄水する際には逆浸透膜フィルターが用いられます。

この膜は英語の頭文字を取ってRO膜とも呼ばれています。孔の大きさは2ナノメートル以下ととても細かいため、一見孔が空いていないように見える半透膜です。

浄水器内の容器を半透膜で仕切り、その両側に、純水と不純水を入れます。

不純物の入った水の方に圧力をかけることで、水の分子だけを半透膜の向こう側に移動させ、純水を作り出します。

この孔は極めて小さいため、逆浸透膜を通過させた純水には、塩素はもちろん病原菌やウィルスは全て除去されたと考えられます。また、塩分さえも膜を通れないため、海水の淡水化への利用もすすんでいます。

水道水の塩素除去に浄水器は?

水道水から手っ取り早く塩素を除去したい場合には、浄水器を設置するのが一番楽で簡単です。

浄水器には、軟水を作れるものや、アルカリイオン水を作れるもの、放射線物質を取り除けるものなど、いろんな種類が出回っています。形もいろんなものがあり、値段も様々ですから、自分の用途にあったものを選ぶことが大切です。

しかし、塩素除去というのは、浄水器の機能のうち最も基本的なことであるため、どんな浄水器を選んでも問題になることはありません。

独立行政法人国民生活センターが5種類の浄水器についてテストした結果、水道水の残留塩素はどの浄水器を使っても9割除去できたと報告しています。

つまり、塩素除去が目的であるなら、浄水器はとても効率的なのです。

飲料水用の浄水器

浄水器の種類には、手軽で安価な蛇口直結型、シンク上に取り付ける据え置き型、シンクの下に取り付けるアンダーシンク型、水差し型容器にカートリッジを装着したポット型浄水器、非常時用のストロー型浄水器などがあります。

これらはカートリッジ型のフィルターを通すことによる浄水器ですが、逆浸透膜(RO)方式の浄水器もあります。

蛇口直結型の浄水器は、現在最も普及していて全体の8割を占めているそうですが、その普及率の高さには、取り付けやすさや、値段が手頃であるということが理由に挙げられます。

数千円~1万円程度で購入できますが、カートリッジは2ヶ月~半年ぐらいで交換しなくてはいけません。

ろ材は粒上の活性炭と中空糸膜が使われていることが多く、それらのろ材は、ポリプロピレン・ポリエチレンの不織布で保護されていることが多いです。

不織布は大きなゴミを取り除くのに一役買っています。簡単なタイプですが、塩素除去をする分には問題ありません。

据え置き型の浄水器は蛇口取付型と比べてスペースにゆとりがあるので、もっと高性能なものを期待できます。中には、軟水を生成できるものや、アルカリイオン水を作れるものもあります。

ろ材は活性炭と中空糸膜の組み合わせが中心ですが、独自性を出すためイオン交換樹脂、セラミックろ材、サンゴ、天然鉱石なども組み合わせて性能を高めています。

設置には取付可能な蛇口が決まってきますし、シンク上のスペースも確保する必要がありますが、工事は必要でないため、手頃に本格的な浄水を求める人には最適です。

浄水器の値段は比較的高額で3万円~10万円しますが、交換用フィルターは半年~1年ぐらいもちます。

アンダーシンク型の浄水器も性能が良く、浄水器をシンク下に隠すことができるので、シンクをスッキリしたい人にはおすすめです。

ろ材や性能は据え置きのものとほとんど変わりませんが、取付工事が必要になることもあるのがデメリットです。

値段は工事費用別で2万円~10万円ですが、フィルター交換は年に1度ほどで済みます。

ポット型浄水器は、使い方が簡単で、清潔に保てるのがメリットですが、フィルター交換は2~3ヶ月と短いです。

ろ材は活性炭の他に、イオン交換樹脂を使用しているものも多いようです。

イオン交換樹脂はプラスとマイナスのイオンを交換することで有害物質を安全なものに変える働きをしますが、処理がゆっくりな点や、比較的フィルター交換コストが高く付くことがデメリットになるでしょう。浄水ポットの値段は2000円から6000円程度です。

ストロー型浄水器は非常用のストローで、2000円程度です。

100リットルまで交換不要、海水は無理ですが、魚が住める程度の水なら飲水にできるということですから非常時には役に立ちそうです。

ろ材は活性炭が主流なようです。

逆浸透膜(RO)方式の浄水器は半透膜の逆浸透膜をフィルターにして逆に浸透する力によって純水を作り出す方法をとります。

とても性能がよく、海水でさえ純水にでき、放射性物質やほぼ全てのウィルスなどの不純物をも取り除くことができるのですが、水中のミネラル分まで除去してしまう点、浄水に時間がかかる点、価格が高いという点がデメリットとしてあります。

初期費用が5万円程度、年間維持費が2,3万円必要です。

どんな浄水器を使うにしても、フィルター交換やメンテナンスを怠っては、その効果は望めません。

活性炭のフィルターならば、時間が経つと吸着力がなくなってきますし、除去した不要物が原因でカビが発生することもあります。

逆浸透膜も汚れによって孔をふさいでしまったり、膜自体が破れたりすることもあるので、管理はとても大切です。

そして、浄水器を通した水は、塩素が除去された時点で殺菌力がなくなってしまいますから、すぐに飲みきってしまわないといけません。

水道水の塩素除去、シャワーの浄水は?

シャワーやお風呂で体がかゆくなったりするアトピーの方や、皮膚の敏感な方、赤ちゃんのいる家庭などに、シャワー用の浄水器も人気があります。

お風呂の水を溜めるときも、シャワー型浄水器から出したお湯を使うと、簡単に塩素除去されたお風呂に入れるのです。

水道水の塩素除去にシャワーヘッド

シャワーヘッドを普通のものから、浄水機能付きのシャワーヘッドに付け替えるだけで、簡単に塩素をはじめ、様々な不純物を除去できます。

お湯のピリピリした感じが苦手だった人や、かゆみを感じていた人など、塩素除去したお湯を浴びるとお湯がやわらかくマイルドになって、かゆみを感じなくなったという声もたくさん聞かれます。

肌や髪に乾燥を感じていた人も、潤いが増して、髪のパサツキがなくなり、まとまりやすくなることも多いようです。

市販のシャワーヘッドの種類には、フィルターを通して塩素除去するものや、ビタミンCであるアスコルビン酸を入れて、中和させて塩素除去するタイプもあります。

また、マイナスイオンを発生させるものや、ビタミンボールやセラミックボールを内蔵しているものもあります。

フィルターやビタミンのあるものは塩素除去の効果がありますが、セラミックボールには肌への浸透性、保湿力を高めるような効果はあっても、塩素に関しては緩和する効果しかなく、除去効果は少ないので気をつけたいところです。

また、シャワーヘッドによっては、原水と浄水の切り替えができる機能のついているものもあって、上手く使えばフィルター交換の時期を遅らせることもできます。

従来のシャワーヘッドから塩素除去用のシャワーヘッドに取り替えるのに、もし接合部分が合わなかったら、という心配もありますが、アダプターが付属しているので、ほぼすべてのシャワーヘッドに取付が可能です。

塩素除去用のシャワーヘッドは大体3000円~8000円ぐらいで、フィルターは2ヶ月~6ヶ月もちます。

水道水の塩素除去、お風呂はどうする?

塩素除去されたお風呂に入りたい、そういう時はどうすればいいでしょう?塩素除去用シャワーヘッドをお使いなら、そのシャワーヘッドを通したお湯でお風呂を溜めるとよいですね。

また、前述したように沸かしたお風呂にビタミンC、アスコルビン酸を入れて中和させる方法や、お茶の葉(出がらしでも良い)や柑橘類の皮、または備長炭を入れて置く方法などもあります。

備長炭を入れる場合、2キロぐらいを入浴1~2時間前に入れておくと、塩素が除去されます。

塩素中和の方法には、粉末や液剤を溶かす以外にも、ビタミンCからできているエステボールを浴槽に入れて中和させるというものや、専用の容器にビタミンCの液剤を入れ、湯船に浮かべて中和させるものなどあります。

水道水の塩素を除去するその他の方法

以上に述べてきた塩素除去の方法以外にも、家中のすべての蛇口から浄水が得られる方法があります。それは、セントラル浄水器をとりつける方法です。

浄水場から自宅に運ばれてくる水道の配管の元栓部分に直接取り付ける浄水器で、工事費を含む高額な費用が必要になります。

20~50万円と値段の幅も広く、ろ材の種類も様々、除去できる物質もそれぞれ違ってきます。

ただし、塩素に関してはどの浄水器も除去可能です。

また、年間維持費も2万円程度から9万円ほどまで様々です。

 

水道水の塩素除去に関するまとめ

このように、水道水の塩素を除去する方法はたくさんあります。

もともと水道水をそのまま飲み続けても問題ないぐらい日本の水は安全なのに、これほど除去の方法があることを知れば、さらに水道水の塩素に対する心配がなくなります。

とはいえ、方法が多い、情報が多いということは、それだけ自分にあった方法を見つける必要があります。

情報に振り回されないで本当に必要なものを選択できるとよいですね。

そのために今回の記事が役に立てればとても嬉しく思います。

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