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水道水の塩素濃度って大丈夫なの?その答えとは?

水道水   15,384 Views

水道水の塩素濃度について多くの方たちが関心をもっています。この記事では水道水の塩素濃度について全てを調べました。

現在、浄水器やウォーターサーバーを使う人が増え、またミネラルウォーターを飲む人も多く、水道水を直接飲む人は37.5%になっています。

主な理由は水道水がおいしくない、健康に有害な物質が含まれているから、ということですが、その中でも、特に塩素について心配に思う人が多いようです。

水道水の塩素濃度は大丈夫なのか、まとめましたので、ぜひチェックしてみてください。

Contents

水道水に塩素が含まれるのはなぜ?

水道水は地下水や湧き水ではなく、川や沼の水が使用されることが大半です。

ほとんどが雨水といった状態の水から、にごりやゴミ、有害物質を取り除き、浄水、殺菌、消毒して、各家庭に届けられます。

浄水場では様々な処理が行われるのですが、感染症の原因となる病原微生物の消毒、殺菌のために塩素が投入されます。

塩素で消毒された水は無菌状態なので、高熱や長時間貯水池に放置などと言った環境の変化にも強く、すぐに腐ってしまうことはありません。

このように、塩素は水道水を最も良い状態で家庭に届けるために、欠かせないものなのです。

消毒方法の中でも、塩素消毒は、「ほぼすべての細菌の殺菌に効果的で、確実性があること」、「残留性があるため残留塩素の測定が簡単である(より安全性を追求できる)」などの理由から、とても優れています。

水道水に含まれる残留塩素とは?

浄水場で浄化され、殺菌するために有効塩素が投入されることはお伝えしましたが、殺菌、分解した後で、まだ水中に残っている塩素のことを残留塩素と言います。

水道水の中にある塩素のことですね。主に次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、クロラミンを指します。塩素イオンは残留塩素ではありません。

また、さらに詳しく説明すると、残留塩素には遊離残留塩素、結合残留塩素、総残留塩素と言う区分もあります。

遊離残留塩素には次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンがあり、結合残留塩素にはクロラミンがあります。

結合残留塩素は水中のアミン類が遊離残留塩素と結合したものをいうのです。

そして、遊離残留塩素と結合残留塩素をあわせたものを総残留塩素と言います。

ただ、総残留塩素のほぼすべてが遊離残留塩素であるため、遊離残留塩素のことを残留塩素と言うことも多々あります。

この記事中ではこれら残留塩素をなす成分の総称を単に塩素と呼ぶことにします。

水道水の塩素濃度が低いとどうなるの?

それでは、水道水の塩素濃度が低いと、どんなメリット、デメリットがあるのでしょう?

塩素の濃度があまり低いと、水を十分に殺菌できないため、腐りやすい水になってしまいます。細菌の発生も増えます。そのため、水道法では、蛇口での塩素濃度を0.1mg/L以上保持するように定められています。

でも、塩素が低いということは、塩素がアンモニアなどと反応してできるカルキ臭も少ないということですから、水はもっとおいしく感じられるのです。

水道法では塩素濃度の最低値は定めているものの上限値を定めていなかったので、汚染を心配して現状より多めの塩素が含まれている時期もあったようです。

すると「カルキ臭がして水がおいしくない」という声がたくさん聞かれるようになりました。

そのため多くの水道局では「おいしい水プロジェクト」を行い、塩素濃度を0.4mg/L以内を目標にして、塩素濃度の低減化をすすめています。

水道水の塩素濃度が高いと体に影響がある?

では、塩素濃度が高いと、カルキ臭がする以外にどういうことが起こるのでしょう?

塩素濃度の高い水は、十分に殺菌されたウィルスや雑菌とは無縁の無菌状態の水であることは保証されますが、やはりいくつかの弊害が生じる恐れがあります。

塩素にはビタミンを壊す作用がある。

星薬科大学の分析によると、水道水で野菜・米・レバーなどの食品を洗うと、ビタミンの10~30%が損失することがわかりました。食品の細胞に塩素が入り込んでビタミンを破壊するのです。ただし、水道水は殺菌作用がありますので、消毒するには適しています。

塩素による肌への影響

水道水は飲んでも体に影響のない塩素量が決められているのでそれほど心配することはありません。

ただ、塩素には酸化力があり、タンパク質を変性させる性質があるので、肌のタンパク質をも壊して、細胞にダメージを与えることもあるのです。

そのため、肌の敏感な人は刺激を感じる(かゆみを感じたり、ヒリヒリ感を生じるなどの肌トラブルなどの)可能性もあります。

また、同様に乾燥肌の原因になったり、肌の保水力や保湿力が低下する可能性もあります。

もともとアレルギー性皮膚疾患や、アトピー性皮膚炎などの問題がある人は、自宅で塩素を除去する努力をしてみると症状がましになったケースもたくさんみられます。

塩素による髪の毛への影響

 肌の場合と同様に、塩素の酸化力によって髪の毛のタンパク質が壊され、髪の毛のキューティクルがいたみ、パサツキの原因になることもあります。

一度剥がれてしまったキューティクルは治ることはないと言われていますので、自宅のシャワーでもパサツキを感じる人はシャワー用の浄水器も検討してみてもいいかもしれません。

トリハロメタンの増加

トリハロメタンとは、発がん性が疑われている物質です。

浄水場で塩素消毒をする過程で水中の有機物と反応してできます。したがって、塩素濃度が高いと、トリハロメタンの総量も増えるということになります。

トリハロメタンがどんなに体に悪影響をもたらすのか、沸騰してすぐの水にはたくさんトリハロメタンが含まれているので危険、などの情報がたくさん出ていますが、日本の水道基準値はWHOよりも厳しく、トリハロメタンによる発がんや発病のリスクは非常に低く、問題視する必要はありません。

例えば、トリハロメタンの一つであるクロロホルムの基準値は、WHOでは0.2mg/L であるのに対して、日本の基準値は0.06mg/L とずいぶん低くなっています。

このように、水道水の塩素濃度が高いと体に多少の影響はでてくるものの、水道法によってしっかりと管理されている日本の水道水の塩素量は十分安全なものです。

塩素単体の危険性

しかし、塩素単体の話をすると、やはり強い毒性を持つため危険な物質と言えます。どんなに危険かというと、毒物及び劇物取締法には、劇物として指定されているほどです。

塩素ガスは第1次世界対戦中に化学兵器として使われました。

濃度が高いと皮膚や目、呼吸器の粘膜を強く刺激して、咳や嘔吐を催し、呼吸不全で死に至らしめることもあります。

塩素を含む漂白剤と、酸性の物質を混合すると有毒な塩素ガスを生じるため、知らないで使用した人が死亡するという事故もありました。

液体塩素も直接触れると炎症を起こします。

薄められた液体塩素であっても、必要以上に摂取すれば、呼吸器の粘膜を傷つけ、喘息が誘発される恐れがあります。

また、多量の塩素投入によって消毒された水には、発がん性が疑われている消毒副生成物であるトリハロメタンが多く含まれます。

大量のトリハロメタンが体内に入ると、中枢神経や腎臓、肝臓、呼吸器へ悪影響を与え、集中力の低下、疲労感にもつながります。

また、催奇形性(奇形を誘発させる性質)も疑われており、流産の危険性が高くなることがわかってきています。

トリハロメタンの中には、オゾン層破壊や地球温暖化の原因となるものもあり、これら塩素のマイナス部分に関する正しい知識も知っておくと良いですね。 

水道水の塩素濃度に関する疑問

水道水の塩素濃度に関する様々な質問・疑問についてお答えします。

水道水とプールの水はどちらの塩素濃度が高いの?

学校のプールの塩素濃度は、学校環境衛生基準で定められており、0.4mg/L以上、1mg/L以下です。文部科学省の遊泳用プールの衛生基準でも同じ基準に定められています。

大体、1Lのペットボトルの中に目薬1,2,滴を入れるイメージです。

これに対して水道水は0.1mg/L ~1mg/Lですから、プールのほうが少し塩素濃度が高いですが、さほど大きな違いはないようです。

それなのに、プールだと異様に匂いがきつかったり、目が赤くなったり、髪の毛がぱさついたりしませんか?

塩素のせいだと思っている人が多いようですが、実はそうではなくクロラミンという物質のせいなのです。

塩素が水に溶けると雑菌などを消毒し、次亜塩素酸になります。これが汗などから発生するアンモニア性窒素と結合した時にできる物質が結合塩素のクロラミンです。

このクロラミンのせいで、プール独特のにおいがし、髪や目や鼻、肌に異常を感じるのです。

この場合アンモニアを分解する必要があるため、もっと塩素濃度を高くしなければいけないのです。

塩素のせいだと思っていたけれど実は逆で、塩素濃度が低いせいだったというのは面白いですね。

塩素濃度が高いと皮膚に吸収される塩素量も増えるの?

水道水程度の塩素濃度であれば、塩素が皮膚に吸収されるということは考えられません。

最近では浄水器などを売る目的で、水道水の塩素濃度の危険性を誇張して伝えているサイトや動画などがたくさん出回っていますが、科学的な根拠はありません。 

たとえば、「コップに入れた水道水の塩素濃度が、手をいれる前と後では減少している。

それは、塩素が皮膚に吸収されたから減ったのだ。」という例がありますが、塩素は吸収されて減少したのではなく、手垢などのごみと反応して別のものに変化した結果、塩素濃度が下がったのです。塩素化合物になったり、塩素ガスになったりして姿を変えた結果と考えるのが一般的です。

その一方で、皮膚は呼吸のために極微量に塩素を吸収するという意見もあります。

米国ピッツバーグ大学大学院、ジュリアン・アンデルマン教授は、「15分の入浴とシャワーの間に呼吸から吸収される揮発性汚染物質の量は、1リットルの水道水を飲むことで摂取する量と同じである」と報告していますし、ニューヨーク州立大学臨床小児科助教授、医学博士ドリス・J・ラップ女史も、「お湯に含まれる汚染物質の20~91%は、入浴中とシャワー中に皮膚を通して、湯気を吸い込むことで体内に吸収されている」と書いています。

しかし、水道水程度の低い塩素濃度ではまったく体に害を及ぼすレベルではないので心配する必要はありませんし、人間の体には解毒作用があるため、多少の汚染物質なら無毒化されて排出されてしまいます。

ただし、もともと皮膚に問題のある方、皮膚の敏感な方には肌トラブルが起きたりする場合もあるので、浄水器など、塩素を除去する方法を試してみるのもいいですね。

水道水の塩素濃度は魚が生きられないほど高いの?

水道水の塩素濃度はひと昔前と比べて低くなり、今では0.1mg/L ~1mg/Lです。

塩素は放置していても少しは飛んでいきますから、水槽にためている水の塩素濃度は実際にはもっと低くなります。

昔は「水道水はカルキ抜きをしないと10分程度で魚は全部死んでしまう」と言われていましたが、最近では塩素濃度低減化にともない、魚によってはある程度生きていけるものもあるようで、特にメダカは強いようです。

ただ、塩素の入った無菌の水では、水の浄化に必要なバクテリアは死んでしまいますし、カルキ抜きをするのが正しい魚の飼い方であるようです。

水道水の塩素濃度の基準について知っておこう!

では、水道水の塩素濃度には基準というものがあるのでしょうか?それはどういう法律に定められているのでしょう?基準と実際の水質には違いがあるのでしょうか?見ていきましょう。

塩素濃度に関する法律はあるの?

日本の水道水は飲料水としても使用できるように、ちゃんと法律に規定されています。

水道法第22条では消毒その他衛生上必要な措置を水道事業者に義務付けています。

また、水道法4条では水質基準を定めており、供給される水は無色透明で汚染物質、有毒物質がないことや、消毒による臭味を除く異常な臭味がないことなどを定めています。

そして、基準に関して必要な事項は、厚生労働省令で定めるとしています。厚生労働省令での水質基準は改正に改正を重ねて、現在では水質基準項目は51項目にも及んでいます。

また、水質管理上留意すべき項目として「水質管理目標設定項目」が26項目、今後情報、知見収集に努めていくべき項目として「要検討項目」が47項目あります。

これら水質基準は、生涯にわたり連続して摂取しても健康に影響が生じない水準をもって、基準値が設定されています。

塩素濃度も、塩素消毒によってできるトリハロメタンの量も、この基準内に管理されているので安心です。

塩素濃度に関する具体的数値は、水道法施行規則(厚生労働省令)第17条3号に、「給水栓(俗に言う蛇口)における水が、遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は0.4mg/L)以上保持するように塩素消毒をすること。

ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染される恐れがある場合、又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物もしくは物質を多量に含む恐れのある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は0.2mg/L(結合残留塩素の場合は、1.5mg/L)以上とする」と定められています。

水道水塩素濃度の上限は定められているの?

では、塩素濃度の上限についてはどうでしょう?きちんと消毒するために塩素濃度の最低値については定められていますが、消毒塩素はいくらまで、という規定はないのでしょうか?

実は水道水の塩素濃度の上限については、特に定められてはいません。

その事実しか知らないと、水道水にはたくさん塩素が含まれていて危険だと不安になるかもしれませんね。

実際、水道局が汚染されていると考える場合や、雑菌などが繁殖しやすい天候のときなどは、普段より多めに塩素を撒き消毒するようです。

ただし、まったく上限がないわけではないのです。

水質管理上留意すべき項目として、「水質管理目標設定項目」で塩素濃度についてちゃんとふれられて、それによると、残留塩素の目標値は1mg/L以下となっています。

この値は何度も行われる水質検査によってちゃんと守られているほか、近年ではカルキ臭のない(塩素濃度の低い)おいしい水を供給することを目標にする取り組みが各地で活発になっています。

例えば、東京都の「安全でおいしい水プロジェクト」、名古屋市の「日本一おいしい水プロジェクト」、福岡市の「安全でおいしい水道水プロジェクト」、横浜市の「安全でおいしい水推進事業」などです。

これらは厚生省(現・厚生労働省)が1984年に『おいしい水研究会』を発足させたことに端を発しています。

おいしい水とは何かを研究した結果、7項目のおいしい水の条件を定義しました。

残量塩素に関しても記載されており、0.4mg/L以下がほとんどの人が消毒用塩素のにおい(カルキ臭の一種)を感じないレベルであり、おいしい水であるとされました。

その後、各地の水道局ではできるだけ水道水をおいしく提供できるように、塩素濃度の目標値を国の目標値よりも厳しく設定し、徹底管理するようになりました。

そのため、地域によって少しの差はあるものの、ほとんどが塩素濃度0.1mg/L~0.4mg/Lを目標にしており、実際提供される水道水の塩素濃度もこれに近いものになってきています。

WHOの規定はどうなってるの?

日本の水道水の塩素濃度についてはわかりましたが、世界ではどういった規定になっているのでしょう?世界と比べて日本の水道水はどうなのでしょう?

人間の健康を基本的人権の一つと考えて、世界のすべての人々が可能な最高の健康状態に達することを目標としている世界保健機関(WHO)では、人間に害のあるものの特定やその基準値についても国際基準を設定することを活動の一つとしています。

WHOの飲料水水質ガイドラインによると、塩素のガイドライン値は5mg/Lとされています。

このガイドライン値は、生涯にわたって水を飲み続けても人の健康に影響が生じない濃度を表しています。ということは、日本の基準値0.1mg/L~1mg/Lはこの世界基準と比べてもかなり低く、とても安全な水だと言えますね。

塩素濃度のほか、クロム、ヒ素、フッ素、トリハロメタンなどいろんな有害物質の基準についても、日本の規定はWHO規定のみならず、アメリカ環境保護省(EPA)規定、EU規定と同等か、それ以下の厳しい基準になっています。

トリハロメタンに関して言うと、トリハロメタンの一つであるクロロホルムの基準は、WHOが0.2 mg/Lなのに対して、日本の基準は0.06 mg/Lです。

世界の中には水質基準に満たない汚い水を飲むしか方法のない国もありますし、それと比べても、また上記の先進国と比べてみても、日本の水はよく管理されとても安全だといえるでしょう。

ppmとは何?

水道水の塩素濃度を表すのにmg/Lという単位をよく用います。

mg/L(ミリグラムパーリットル)は水質を表すときに1番よく使われる単位で、1リットル中に対象物質がどのくらい含まれているのかを表しています。

1mg(ミリグラム)は1g(グラム)の1000分の1ですから、1円玉の重さの1000分の1を言います。

お風呂の水で考えると一般家庭の浴槽は大体200L入りますので、ここに200mgつまり0.2g入っている時の濃度が1 mg/Lです。

ところが、時々ppmという単位を用いることもあります。

ppm(パーツパーミリオン)といって、実際には単位ではなく、何割や何%といった、比率を表すもので「100万分のいくつ」という意味です。

同じ単位の比率を考えるときに使うので、例えば1kgの水の中に1mgの塩素が溶けている場合に1 ppmとされます。

また何%といった比率で表すとするなら、1ppmは100万分の1、1%は100分の1なので1 ppmは1万分の1%つまり0.0001%とも言えることができます。

塩素濃度の上限の目標値は1 mg/Lでしたが、1 ppmとも表すことができるので、これはつまり0.0001%の塩素濃度であるということです。

ppmは比率なので、大気中のガスの量などを表すのに適しているのですが、水質中の物質についても用いることができるのは比重が1.0であるからです。

つまり、水の密度が1g/ccであり、水に溶けている物質を表す単位(g)と同じになって、それを比率で表すことが可能になるからです。

水道水中の塩素濃度についても使え、1 ppmは1 mg/Lと同じように考えても問題ありません。

水道水の塩素濃度を測定することはできる?

水道水の塩素濃度を測る方法はいくつかありますし、その中でも自宅で簡単に測定 方法もありますので、それら塩素濃度の測定についてみていきましょう。

塩素濃度の測定方法及び塩素濃度測定試薬について

塩素濃度の測定方法はいくつかあります。また、遊離残留塩素及び結合残留塩素の検査方法については、平成15年9月9月29日厚生労働省告示第318号にも規定があります。

DPD法(ジエチルパラフェニレンジアミン法)

DPD試薬を用いた比色法です。

水道から水を採取し、DPD試薬(粉末タイプも錠剤タイプもある)を混ぜると残留塩素がある場合ピンク色に染まります。

その色の濃さがどの色に最も近いかを測定器の中から選ぶ(目視)ことで塩素濃度がわかるという方法です。

簡単ではあるけれど、目視のため正確さには欠けるという欠点があります。

また、ヨウ素カリウム試薬を使うと、総残留塩素の測定ができ、総残留塩素濃度と遊離残留塩素との差から結合残留塩素濃度を求めることもできます。

比較的安価で、測定が容易であることから家庭でも塩素濃度を知ることができます。

ヨウ素法 

測定したい水にヨウ素カリウムを溶かして着色させ、それをまた無色に戻すためにいくつかの薬品を加えます。

その薬品の数から濃度を測定する方法です。薬品が多数必要なので高価になってきます。

電流法(ポーラログラフ法)

残留塩素が電極表面で還元されるときに電極間に流れる電流値から塩素濃度を測定します。

ただし遊離残留塩素は、PH値によって塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンと形を変えるので、測定時にはPH値が一定でないと正確な測定ができません。

PH値が変われば校正が必要になります。精度はとても高いのですが、大きな設備も必要になるため、主に研究に用いられます。 

DPD吸光光度法 

DPD試薬を加えた水に光を当てて、濁度による吸収度合いから塩素濃度を測定する方法です。今ではデジタル式測定器に応用され、よく使われています。

オルトトリジン法(OT法)

液体試薬であるオルトトリジン試薬を水に混ぜ、黄色に発色させることで塩素濃度を測定する方法です。

ずっと広く使われていた方法でしたが、このオルトトリジン試薬は労働安全衛生法で特定化学物質に指定され、また発がん性の疑いがあることから現在では使用が禁止されています。

これらの中でも、現在DPD法及びDPD吸光光度法が一番よく使われており、測定が容易なので自宅で検査することも可能です。

塩素濃度の測定器について

DPD法に用いる測定器には、比色式と吸光光度法を用いたデジタル式があります。

比色式は主に手動で行い目視で測定するもので、デジタル式はあらかじめデータをプログラミングされたもので、センサーに水をつけることで測定できるものです。

デジタル式は操作が簡単でであるというメリットがありますが、水に弱く壊れやすいというデメリットもあります。

これら測定の際の留意点としては、摂取する水道の水が長時間水道管に溜まったものでないものを使用することです。

水道管に溜まっている間にアンモニアや汚染物質に反応したり、水温が上昇することでも塩素濃度は変わってくるので、数分蛇口を開けた後で採取するといいです。

測定に用いる容器についても同様で、少しでも汚れていると正確な判定ができないので、測定前には2,3回容器を流水でゆすぐことも大切です。

また、DPD試薬は水に溶解後数十秒以内、長くても1分以内に測定すると遊離残留塩素のみを測定でき、それ以上経つと結合残留塩素とも反応するので、だんだん濃くなるように見えますが、間違いではありません。

一定時間経過後測定すると総残留塩素の値がもとめられます。

水道水の塩素濃度はどういうときに変化するの?

水道水の塩素濃度は常に一定値を示すわけではありません。では、どういう時に塩素濃度が低下するのでしょうか?

塩素濃度が低下する原因

貯水量が大きすぎて、長時間使用されずに溜まった状態にあると、水質が悪化して残留塩素の濃度が低下します。

また、貯水槽の上においた薬品や廃棄物が漏れて水を汚染した時や、雨水が混入したり、冠水した時も水質が悪化し塩素濃度が低くなりますので注意が必要です。

また、温度(水温)上昇によっても水中に溶け込む物質が増え、雑菌も繁殖することから殺菌するために有効塩素が反応し、水中の塩素濃度は低くなります。

塩素濃度が低くなる原因をまとめてみると、以下の場合だということができます。

・塩素濃度は時間が経過するにつれて低下する。

・水が汚染されると塩素濃度は低下する。

・水温(気温)が上がると塩素濃度は低下する。

季節による塩素濃度の変化 

このように、温度によって塩素濃度が変わるなら、季節によっても塩素濃度は変わるのではないでしょうか?答えはYESです。

気温や水温が高くなるに従って水中に溶け込む物質は多くなり、また雑菌の繁殖力も高くなるので、それを殺菌するためにたくさんの塩素が必要になります。

蛇口から出る水にはいつでも0.1mg/ℓ以上の塩素が必要であるという規定があるため、水道局は夏は冬に比べてたくさんの塩素を投入するなど調節をしています。

単に夏はこれだけ、冬はこれだけというふうに塩素量を決めているわけではなく、その日の温度、天候その他、汚染状況によっても塩素量を変えているので、蛇口の水の塩素濃度も多少差が出てくるのは仕方のないことなんです。

シャワーで塩素濃度が上昇するという説

 アメリカの食品リサーチ研究の主任が、シャワーや入浴中は締め切った場所に熱い湯に溶けにくい塩素ガスが充満して、その塩素は皮脂と反応して塩素化合物を作り、体に吸収されるので、老化を促進する、と報告しています。

密室状態になるシャワー室やお風呂場では塩素濃度が上昇するというのです。

ただ、同時に水道局では一生水道水を利用しても人体に影響のない範囲で塩素を管理しているということも事実です。

塩素量の増加にともなう残留塩素濃度の変化について

塩素による消毒の方法には、詳しく見ると2つの処理方法があります。

一つは現在浄水場で取られている処理方法で、結合塩素処理です。

もう一つはプールや浴槽の塩素消毒として使われている方法で、不連続点塩素処理と言います。

決定的な違いは水質(含有成分)と塩素の注入量なのですが、この塩素量増加によって残留塩素濃度は直線的に増えていくわけではないことが面白いのです。

どういうことかというと、アンモニア成分をふくむ水の場合、アンモニアとの反応によって、はじめは結合残留塩素が増えていくのですが、水中のすべてのアンモニアやその化合物が反応し終わった点で極大値を示し、その後低下していきます。

低下する原因は注入し続けている塩素によって、結合残留塩素が分解されていくからです。

そして、またある一点(極小値)に到達し、殺菌力や消毒力がゼロになると、今度は注入量に伴って遊離残留塩素濃度が直線的に増加するのです。

この極小値のことをブレークポイントといい、それ以降の遊離残留塩素による消毒方法を不連続点(ブレークポイント)処理といいます。

アンモニア成分を含まず、鉄分などの酸化可能な塩素要求物質が含まれている水の場合、はじめは遊離残留塩素は生じません(水中の成分を酸化分解している)が、塩素を注入し続けていると、酸化分解が終わった時点から直線的に塩素濃度(結合塩素+遊離塩素)は増えていきます。

このように過剰な遊離残留塩素を出さないようにして、結合残留塩素のみで殺菌、消毒する方法が結合塩素処理です。

水道水は飲料にも使用するので、できるだけ塩素化合物が少ない方がいいので、結合塩素処理が望まれます。

そのためにはアンモニアやその化合物、不純物ができるだけ少ない水源を確保することが大切です。

話を不連続点処理に戻すと、これはプールや浴槽の塩素消毒に用いられている方法です。

人が入る前のプールや浴槽に注入した塩素の量では、人が入り、アンモニアや化合物、不純物の増えた水を消毒するにはすぐに足りなくなります。

それらの物質と反応するだけの塩素も必要ですし、反応を終えた結合塩素を分解するための塩素も必要となってくるのですから、水道水とは比べ物にならないくらいの塩素が必要です。

プールの水と水道水の塩素濃度がほぼ同じ(プールは0.4 mg/L~1mg/L 、水道水は0.1mg/L~1mg/L)とはいっても、塩素投入量はぜんぜん違うのですね。

水道水の塩素濃度は日本全国で違う

水道法で定められている塩素濃度の基準は全国同じですが、それぞれの地域で管轄している水道局の方針、そして水源の質などから、水道水の塩素濃度は全国でもばらつきがあるようです。

ここでは主な都市の塩素濃度や水道局の取り組みを紹介します。

水道水の塩素濃度 大阪

大阪市の水源は淀川の水です。淀川は琵琶湖を水源として、宇治川、木津川、桂川という3つの川が合流した比較的安定した河川です。

この淀川が、大阪市をはじめとする近畿圏1,700万人の水源になっているのです。過去には、琵琶湖の水は汚染されているので大阪の水はまずいという認識が浸透していましたが、現在では高度浄水処理を行ってから殺菌消毒するので、有機物が大幅に減少した状態で消毒されるため、塩素量が従来に比べて少なくて済むようになりました。

高度浄水処理とは、これまでの浄水処理方法にオゾンと粒状活性炭による処理工程を加えたものです。これによってカビ臭などの異臭は完全になくなって、有機物から生成されるトリハロメタンも大幅に減少、クリプトスポリジウム等の病原性微生物に対する安全性も向上させることができました。

塩素量が少なく、異臭も低減されると水道水は従来よりずっと美味しくなりました。

おいしくなった大阪市の水道水を加熱処理してペットボトルに詰めた「ほんまや」は2007年3月から販売されはじめ、大阪の水はおいしいと評判になり、2009年8月には累計総数39万本を超えるほどの人気になりました。

くせのない味、天然水のようなあじわい、と評価する人も多かったのです。

「モンドセレクション」で金賞を受賞したこともありましたが、2010年には赤字を計上するなど経営不振に陥ったため、生産中止になりました。

高槻市も水道祭などの広報イベントで水道水とミネラルウォーターとの飲み比べを実施して、ほとんどの人がミネラルウォーターとの味の違いがほとんどわからないという結果を得ました。

大阪市の水道水の塩素濃度に話を戻すと、大阪市の水道局水質試験所では、月1回21箇所の給水栓で水質検査を行って安全性を確かめるほか、水質遠隔監視装置(市内に38箇所に設置、水質テレメーターとも言う)でも24時間連続測定し、色、濁り、残留塩素の濃度を監視しています。

測定状況については、38箇所すべての結果を大阪市水道局のサイトでいつでも見ることができます。

残留塩素濃度はほとんどが0.3 mg/L0.6 mg/Lの範囲に収まる結果となっています。

なお、大阪市の遊離残留塩素濃度は年平均値で0.4mg/L程度です。

月1回水質検査を行うために採取される給水所は市内に21箇所あり、その給水地は東淀川区小松4、旭区新森4,城東区古市2、都島区都島本通4、淀川区新高4、北区南扇町6、西淀川区大和田1、此花区春日出北1、中央区森ノ宮中央1、東成区大今里西1、生野区勝山南3、天王寺区寺田町1、西区九条2、港区海岸通1、大正区鶴町1、西成区南津守7、阿倍野区播磨町1、平野区平野西1、平野区瓜破東4、住吉区清水丘2、住之江区南港中6にあります。

また、大阪市水道局の管理する範囲で、水道中に放射能物質が検出されたことはありません。

水道水の塩素濃度 沖縄

沖縄県では渇水に悩まされた時代の影響で、自宅にタンクがあるなどの特色があります。

ただし、現在では水源が十分に確保されているので、水が無くなる心配はなくタンクの必要も特にありません。

タンクを使用している箇所では、不衛生にならないように適切な処置をとる必要があります。

屋上タンクや、貯水槽がある場合、1年に1回以上は定期的に内部を清掃し、検査を受けるよう推奨されています。

浄水場から見て排水管より先の給水装置やタンク、貯水槽は個人の財産になるため、それぞれの責任で管理する必要があります。

特に屋上タンクの管理が十分でない場合、赤さびがタンクの底に沈殿したり藻が発生したりといったことが起こるため、注意が必要です。

長期間タンクに溜まったままになっている水は、塩素濃度が低くなり雑菌が繁殖する恐れもあるのでその点も気をつけなくてはいけません。

また、貯水槽の総容量が10㎥を超える場合には水道法の管理基準に基づく検査や清掃が義務づけられています。

沖縄の水源の種類はダムや河川、地下水、海水淡水化水などさまざまで、井戸水や地下水は石灰が多く、硬度が高いのが特徴です。

水源の種類が多いため、場所によって味が違ったりにおいが違うと言ったこともよく聞かれます。

ただし、水質管理は徹底して行われていて、残留塩素についても目標値を定めて低減化に努めているようです。

沖縄の水質については、名護、石川、北谷、西原の4浄水場と九志工業用水淨水場、そして14箇所での供給地点での年毎の水質検査結果が沖縄県企業局のサイトに掲載されています。

14地点とは、本部、名嘉真/喜瀬、伊江、与勝、読谷、中城、山里、南上原、大名、百名、上間、伊覇、親慶原、具志川です。2016年度の塩素濃度は大体0.5 mg/L~0.9 mg/Lで、平均を取ると0.7 mg/Lぐらいです。

また、平成28年3月に沖縄企業局によって提出された水質検査計画では、色度、濁度、残留塩素の検査については自動計測機器を用いて監視し、水質管理を強化する、という計画について触れられています。

沖縄の水道水の味についても記録があります。2014年から毎年行われている3種類の水(水道水、海淡水、ペットボトル水)を飲み比べる「利き水に挑戦!」イベントでは、毎年水道水をおいしい、悪くないと感じる人が8割を超える結果になっています。

イベントによって水道水のイメージが良くなった人の割合もほぼ6割でした。

水道水の塩素濃度 神奈川

神奈川県では、神奈川県企業庁、横浜市水道局、川崎市上下水道局、横須賀市上下水道局、神奈川県内広域水道企業団の5つの水道事業者がそれぞれ水質検査などを行っています。

横浜市と川崎市については別の章で記載します。

神奈川県では主に次亜塩素酸ナトリウムを用いて塩素消毒が行われていますが、浄水場から遠い地域にとってはちょうどいい塩素濃度の水道水であっても、浄水場近くでは高い塩素濃度が測定されるという事態が起こっていました。

そこで浄水場での塩素濃度を低く抑え、そのかわりに浄水場から遠い地域に対しては送水途中で塩素を注入することで、全域について適量な塩素濃度に抑えられるよう取り組んでいるそうです。

水質検査については神奈川県営水道がいろんな地点で行っていますが、神奈川を代表する12地点での給水栓の水質調査結果がサイトに掲載されています。

検査地点は、相模原市緑区日連、鎌倉市津、鎌倉市今泉、伊豆市池子、葉山町長柄、平塚市北金目、小田原市沼代、厚木市上荻野、海老名市望地、海老名市門沢橋もしくは綾瀬市寺尾本町、大和市深見、藤沢市大庭です。残留塩素は0.3 mg/L~0.8 mg/Lの中で結果が出ており、平均すると大体0.5 mg/L程度です。

水道水の塩素濃度 川崎

川崎市の水道水源は富士山麓の山中湖や忍野八海を源とする相模湖・津久井湖(相模川系) です。

トリハロメタンについて言えば、水質基準が0.1mg/L以下に対して、平成25年度の市内給水栓11か所の総トリハロメタン濃度は、平均値0.0093mg/L、最大値で0.018mg/Lでした。

また、川崎上下水道局は市内20ヶ所の水質自動測定装置により色、濁り、残留塩素濃度などの7項目を常に監視しています。

測定結果は毎日同時刻に測定した結果の平均値を月ごとにサイトに掲載しています。

測定地点は上下水道局黒川配水池、上下水道局第2配水工事事務所、千代が丘老人いこいの家、入江崎水処理センター、宮前平駅前、国際交流センター、等々力緑地、高津消防署久地出張所、虹ヶ丘保育園、上下水道局稲田取水所、殿町老人いこいの家、麻生市民館岡上分館、百合丘こども文化センター、上下水道局長尾加圧ポンプ所、多摩道路公園センター、川崎市役所第2庁舎、上下水道局京町ポンプ場、上下水道局加瀬水処理センター、川崎国際生田緑地ゴルフ場、新百合丘西調整池の20地点です。遊離残留塩素は0.44 mg/L~0.66 mg/Lでした。

川崎上下水道局の取り組みには、他の水道局と協力して、利用者の元気と生活を支える水道水の価値について知ってもらう「首都圏水道水キャンペーン」などがあります。 

水道水の塩素濃度 横浜 

横浜は日本で初めて近代水道施設がとり入れられた場所です。

明治20年(1887)10月17日に給水が開始されました。それまでは井戸を掘るなどして水を確保しようとしましたが、ほとんどの井戸水は塩分を含んでいたからです。

横浜市水道局によると、横浜の水道水の残留塩素は 0.4~0.7 mg/L程度で、水質検査を希望する人には無料で自宅の蛇口での水質検査を行ってくれるということです。

水質検査については横浜市の15箇所で項目ごとに毎月、もしくは年4回測定し、結果をサイトに掲載しています。

毎日の検査(色、濁り、消毒の残留効果)は市内62箇所で行っています。

社宮司公園、高島中央公園、水道みち向台公園、新横浜第一公園、釜利谷第四公園、干網公園、キリン園公園、十日市場だんご山公園、青葉水道事務所、もえぎ野公園、勝田公園、野七里第二公園、中田町第五公園、弥生台南公園、下瀬谷第一公園の15箇所が定期検査の測定地点です。

平成26年度平均の残留塩素濃度は0.5mg/Lで、平成28年10月の平均値は0.58mg/Lです。

水源保全の大切さ、水道事業への関心を高めてもらうことを目標として、横浜市の水源の一つである道志川の清流水を詰めたボトルウォーター「はまっ子どうし The Water」が販売されています。

売上の一部を環境貢献や国際支援にのために寄付するなどしています。

水道水の塩素濃度 札幌

札幌の水源は豊平川・琴似発寒川・星置川・滝の沢川で、中でも豊平川はその98%をまかなっているとても重要な川です。

北海道には、もともととてもきれいな川とされている尻別川(シリベツガワ)、後志利別川(シリベシトシベツガワ)、鵡川(ムカワ)、沙流川(サルガワ)があるなど、自然的にとても恵まれた環境なので、水道水も一般においしいと言われています。

札幌の豊平川上流定山渓渓流の水から作られた水道水から塩素を取り除き、加熱処理した「さっぽろの水」もボトル化され、売られていますが、平成29年3月31日までの販売ということです。

札幌市水道局によると、残留塩素濃度は通常0.3 mg/L~0.5mg/L程度で、平均すると大体0.4mg/Lです。

残留塩素濃度の水質検査は色、濁りの検査と同様に毎日行われ、1ヶ月の平均値が札幌市水道局のホームページに掲載されています。検査地点は北区北24条西、北区あいの里4条、白石区東米里、手稲区星置2条、西区平和3条、手稲区稲穂4条、南区白川の7箇所で、平成28年9月の平均値は0.39 mg/Lでした。

水道水の塩素濃度 埼玉

埼玉県の水源には沢山の深井戸があり、昭和40年には地下水と河川水の割合が約9対1でした。

ただ、地下水のくみ上げ過ぎは地盤沈下を引き起こすので、河川水を水源にするようにしはじめ、平成20年では2対8の割合になっています。

埼玉県の南部・北部地域には良質な地下水があるので、塩素濃度、トリハロメタンの値が比較的少なっていますが、県東部地域の深井戸にはいろんな成分が含まれ、それらを除去するために沢山の塩素が必要になる結果、塩素濃度、トリハロメタンの値も多くなる傾向があります。

しかし水質基準を超えることはないため安心です。

河川についても上流部と下流部では汚染状況が違うため、塩素濃度も調節される必要があります。

水質検査はいろんな項目を月ごとに検査する水質検査と、自動水質計器によって毎日検査をし、月ごとにその平均を出す検査(色、濁り、塩素濃度のみ)とあります。

後者の検査地点はさいたま市深作配水場、飯能市県水受水場、蕨市塚越浄水場、入間市豊岡配水場、和光市南浄水場、さいたま市相野原配水場、越谷・松伏(企)南部浄水場、熊谷市北部配水場、本庄市第二浄水場、蓮田市浄水場、杉戸町第二配水場、川口市鳩ヶ谷浄水場、八潮市中央浄水場、滑川町配水場、ときがわ町本郷受水場の15地点で行われています。

平成28年度4月~9月の残留塩素濃度は0.39 mg/L~0.88 mg/Lで測定されました。埼玉県ホームページに検査結果が掲載されています。

関東では埼玉が一番塩素濃度の高い地域だと言われています。

また、埼玉県は水道の普及率が99.8%ととても高く、全国平均97.5%を回っています。

水道水の塩素濃度 千葉県

千葉県水道局では、水道水の塩素濃度の低減化に力を入れています。

残留塩素濃度の平均値は平成18年度には0.83 mg/Lあったのですが、低減化を進めていくことによってどんどん低下し、平成25年からは横ばいで0.56 mg/Lほどに落ち着いています。

さらに、塩素を浄水場で一気に注入する方法から、浄水場での塩素量は少なめにし、多数の送水途中の地点で塩素を足していく方法を採用することで、さらなる塩素濃度の標準化、低減下を図る予定だそうです。

平成25年度にはじめて誉田給水場に多点注入方式を導入し、船橋給水場と姉崎分場にも採用していくということです。

また、排水管路の末端では水が溜まりやすく塩素が足りなくなる問題があることから、末端同士を結びつけて水の滞留がなくなるような整備を検討しているそうです。

その他、千葉県水道局はおいしい水を作ることにも積極的で、「おいしい水づくり計画」を平成18年に策定して、10年間様々な取り組みを行ってきた結果、満足度は29.6%から77.8%からに上がりました。

水質検査は20系統それぞれから1地点を選択して検査を実施しています。千葉県水道局のホームページには水道水質結果が月ごとに掲載されています。

水道水の塩素濃度 東京

東京都の水源は殆どが河川水で、利根川及び荒川水系が78%をしめ、多摩川水系が19%をしめています。

昭和60年、厚生省(現、厚生労働省)は「おいしい水研究会」を設置しました。

それまでに、水道水がまずい、水道水がカルキ臭いという声がたくさん聞かれたからです。

東京都水道局でも、都独自の「おいしさに関する水質目標」を設定し、カルキ臭対策として、塩素濃度(残留塩素量)を国が定める水質基準値より厳しい0.1mg/L~0.4mg/Lを目標としはじめました。

この数値はほとんどの人が消毒用塩素のにおい(カルキ臭の一種)を感じないレベルなのです。

努力の甲斐あり、平成27年の塩素濃度達成率は89%で、前年度と比較しても3,7ポイントアップしています。

水質検査は都内131箇所の給水栓に設置した自動水質計器で、毎朝9時に残留塩素濃度を測定しています。

その結果は東京都水道局のホームページに記載されます。

細かい項目を記載した水質検査結果も東京都の様々な地点で行われており、同様にホームページから閲覧可能です。塩素濃度の平均値は0.4mg/Lぐらいです。

また、東京都水道局では平成元年に初めて高度浄水施設の整備に着手して以来、順に導入を進めていった結果、平成25年10月に高度浄水処理100%を達成しました。

その水道水をペットボトルに詰めた「東京水」を販売、またイベントで無料配布するなどして、素晴らしい技術力と品質をアピールしています。

水道水はおいしいということを実感してもらい、自宅でもっと水道水を飲んでもらいたい、それはまた熱中症対策にもつながる、という意図があるそうです。

水道水の塩素濃度 名古屋  

名古屋は水源である木曽川の水質の良さに恵まれているので、名古屋の水はおいしいと言われています。

昭和60年に「おいしい水研究会」の報告に、「おいしい水の要件」を水質項目の数値で示しましたが、名古屋の水道水はこれらの要件をほぼ満たしているので数値上でもおいしいということがわかります。

名古屋市上下水道局は水質自動計器を給水区域内25か所に設置して、毎日24時間塩素濃度を監視しています。

また、定期検査も20箇所の蛇口で行っています。

毎日検査については結果が出ていませんが、定期検査結果については水道局のホームページに記載があります。

20箇所の測定地点は、千種区:緑政土木局千種土木事務所、東区:徳川園管理事務所、北区:辻町公園、北区:北区役所楠支所、西区:こも原公園、中村区:上下水道局北部管路センター稲西出張所、中区:上下水道局中営業所、昭和区:名古屋市みどりの協会、瑞穂区:上下水道局瑞穂営業所、熱田区:熱田生涯学習センター、中川区:中川土木事務所、中川区:中川区役所富田支所、港区:上下水道局西部管路センター(本部事務所)、南区:松下町公園、南区:上下水道局南サービスステーション、守山区:上下水道局守山営業所、守山区:守山土木事務所、緑区:伝治山西公園、名東区:名東生涯学習センター、天白区:緑政土木局天白土木事務所です。

できるだけ低い塩素濃度の水道水を提供するように努めており、給水区域内の平均残留塩素濃度は0.4mg/Lです。

また、水道水が安全でおいしいという事をよく理解して、もっと水道水を飲んでもらえるように平成28年度から5年間の計画で「日本一おいしい水プロジェクト」を実施しています。

その中の一つに、名水プロモーションというのがあります。名古屋の水道水を保存の効くアルミ缶に詰めた災害用備蓄飲料水「名水」を期間限定で販売したり、イベント等で配布したりして、名古屋の水道水が安全でおいしいことを認知してもらうのです。

名古屋らしい金シャチのデザインのアルミ缶を使用しています。

水道水の塩素濃度 福岡

福岡はダムと河川を水源にしています。

福岡市水道局では水道水の塩素濃度の低減化を図るために、浄水場では塩素調整をこまめに行い、平成19年には水質状況をリアルタイムで把握できる連続自動水質監視装置を設置しはじめ、監視体制を強化した結果、5年後の平成23年には20%も低減されました。

また、平成25年3月には「安全でおいしい水道水プロジェクト」を立ち上げ、安全性とおいしさの双方を両立する値として残留塩素の目標値を0.3mg/L以上0.5mg/L以下に設定しました。

福岡市水道局のホームページには毎月の水質検査結果が記載されています。

測定地点は東区名島、東区勝馬、博多区大井、中央区小笹、早良区内野、南区柏原、城南区片江、西区西浦の8地点です。塩素濃度の平均は約0.5mg/Lです。

水道水の塩素濃度 京都

京都市の水源は97%が琵琶湖からで、残りの3%は宇治川から取水していますが、宇治川は琵琶湖から流れている川なのですべて琵琶湖からとも言えます。

京都市上下水道局では、3つの浄水場の給水区域における代表的な給水栓で水質検査を実施しています。

遊離残留塩素については毎週検査を行っています。

蹴上低区、松ケ崎高区、新山科低区の3地点で測定し、塩素濃度はほぼ常に0.4mg/L~0.6mg/Lという結果が出ています。

水道水の塩素濃度 仙台

仙台水道局によると、浄水場での残留塩素は概ね0.7mg/L~0.9mg/L程度に調整して供給していて、浄水場に近い家庭ではこれに近い値、浄水場から遠い家庭ではこれより低い値となるそうです。

平成25年度の水道水残留塩素の平均値は0.58mg/Lでした。

水道水の塩素濃度 茨木、水戸

茨木市の平成28年度4月から7月に行われた9地点の給水栓水質検査の結果、水道水残留塩素の平均値は0.63 mg/Lでした。

水戸市の平成28年度4月から10月の水道水残留塩素の平均値は0.30 mg/Lでした。ただし、測定の場所による濃度差が激しく、下大野町や高田町、谷津町では低く、木葉下町では高い値(0.55 mg/L)を示しています。

水道水の塩素濃度 兵庫

兵庫県庁のホームページによりますと、平成28年度9月の供給点毎日検査結果の水道水残留塩素濃度の平均値は0.83mg/Lでした。また、西宮市のホームページに掲載されている平成28年度第1回と第2回の水質検査の結果によりますと、水道水残留塩素の平均値は0.63 mg/Lでした。

水道水の塩素濃度 広島

広島市水道局によると、平成28年度の4月から9月までの給水区域内全箇所の水道水残留塩素濃度の平均値は0.5 mg/Lでした。

水道水の塩素濃度 熊本

熊本市上下水道局によりますと、平成26年度の市内42箇所の給水栓検査地点における水道水残留塩素濃度の年間平均値は、0.28 mg/Lでした。

水道水の塩素濃度 まとめの水道水塩素ランキング

県や市が混ざっていますが、前述しました主要都市の水道水塩素ランキングをまとめますと、塩素濃度の低い順に、

1,熊本市 0.28 mg/L

2,水戸市 0.30 mg/L

3, 福岡市 0.38 mg/L

4, 東京都 0.4 mg/L

5, 名古屋市0.41 mg/L

6, 札幌市 0.43mg/L

7, 千葉市 0.45mg/L

8, 大阪市 0.46mg/L

9, 広島市 0.5 mg/L

10, 横浜市 0.58mg/L、仙台市 0.58mg/L

11,  西宮市 0.63mg/L、埼玉県 0.63 mg/L、茨木市 0.63 mg/L

12,  沖縄県 0.7 mg/L

13,  兵庫県 0.83mg/L

となっています。大都市の浄水施設が整ってきていることから、一概に田舎は水が綺麗で塩素濃度は低いということはできない状況になってきているようです。

世界の水道水

世界の中で見ると、日本の水はしっかりと浄水施設が整っており、厳しい水質管理のもとに安全に供給されるので、我々はとても恵まれています。

また、飲料に適した軟水であることも感謝しなくてはなりません。

しかし、塩素濃度については、日本の水の塩素濃度は高いという声も聞かれます。どうなのでしょうか?

アメリカの水道水塩素濃度

アメリカは日本と同じく塩素消毒を採用している国です。

では、塩素濃度はどうなのでしょうか?

アメリカの水質基準は日本よりも厳しく、300以上のチェック項目があり、安全性をとても重視しています。

塩素濃度についても上限が決められていて、0.5 mg/L以下であるということです。

これだけしっかり管理されているなら、水道水を直接飲む人も日本と同じくらいいてもいいはずですが、水道水をそのまま飲む人はほとんどなく、ミネラルウォーターを利用する人が断然多いということです。

水の安全は確保されていますが、硬水でなので飲みにくいからなのです。

しかし、アメリカ産のボトルウォーター「カークランドシグネチャーピュリファイドウォーター」は40本1000円以下、1本あたり25円以下というお買い得価格で日本でもとても人気があるようです。

実はこれは天然水でもミネラルウォーターでも何でもなく、アメリカの水道水をろ過して添加物を入れたものなのです。

水道水だと気がつかないで購入していた人も大勢いたらしいですが、アメリカの水道水も硬度を下げる処理をすればもっと普及するのかもしれません。

中国の水道水塩素濃度

では、中国の水道事情はどうでしょうか?

中国にも国家標準の「生活飲用水衛生標準」という水質レベルがあり、この基準を満たしている限り飲料水として使用しても問題ないとは言われています。

しかし、中国では排水管や貯水槽などの衛生状態に不安を感じる人も多く、また、もともと水道水を飲む習慣がないため、水道水は一度沸かして飲むのが普通という認識が浸透しているようです。

場所によってはサビのにおいがきつかったり、色も透明ではなかったりするようですが、料理には自然に使われていますし、一度沸騰させれば安全に飲むことができます。

上海の残留塩素の基準は0.05 mg/L以上であることが義務付けられていますが、日本の0.1mg/Lより低いですし、全体平均も日本の塩素濃度より低くなっています。

ただ、アメリカと同じで硬水なので、日本人など軟水に慣れている人には飲みにくく、お腹を壊しやすいという点はあるかもしれません。

でもウォーターサーバーのペットボトル水は偽物が多いという意見もありますので、水道水を沸騰させて飲むか、市販のミネラルウォーターを買うのが良いです。

水道水塩素濃度 香港

香港でも塩素消毒されています。香港の水質基準は世界保健機構(WHO)の水質ガイドラインに準拠して作られているそうです。

クロロホルムの平均値は0.05mg/ L未満であり、WHOのガイドライン値0.2mg/ Lよりはるかに低いことが香港給水部のホームページに記載されています。ちなみに日本の基準は0.06mg/L以下です。

水道水塩素濃度 台湾

台湾の水道水の残留塩素濃度の基準は0.2〜1.0mg/Lに定められています。そして実際に供給されている水道水の残留塩素濃度は0.59mg/Lであることが、台北水道局により発表されています。

水道水塩素濃度 タイ

国営企業であるメトロポリタン水道公団(MWA)はタイ・バンコク周辺の水道事業に関わっている団体ですが、そこのホームページには、2分毎に各測定値の塩素濃度がリアルタイムで分かる水質オンラインシステムが盛り込まれています。

残留塩素濃度はあまり一定ではなく、0.4mg/Lぐらいのところもあれば1.2mg/Lぐらいの高い値を示すところもありました。MWA水質基準は世界保健機構の水質ガイドラインに基づいています。

水道水塩素濃度 マレーシア 

マレーシアの水質基準は、マレーシア保健省工学サービス課が発行した飲料水質基準によって定められており、これは世界保健機構のガイドラインを準拠しています。

遊離残留塩素の基準は0.2〜5.0mg / Lの範囲にあることです。

水道水塩素濃度 ハワイ

ハワイの水質は米国環境保護庁(EPA)の定める規定に従っているということです。水道水の味を損なわないために最低限必要な塩素量に抑えるということで、塩素濃度は0.15 mg / Lまでと、低い水準に抑えられています。

水道水塩素濃度 オーストラリア

オーストラリアでも水道水消毒には塩素やクロラミンが使用されています。2003年にオーストラリア保健福祉省によって設定された安全飲料水法に従っています。

2016年の総トリハロメタンの測定値は場所によって、0.001 mg/L以下の値から0.046 mg/Lまで報告されています。

水道水塩素濃度 フランス

フランスの水道水は石灰質が多く、水道水を沸騰させたり、乾かしたりすると白い跡やカスが残ったりすると言われています。

フランスでは塩素濃度の上限値が定められており、0.1mg/L以下とされています。

水道水塩素濃度 ペルー

1991年ペルーでは、コレラが大流行して、130万人が感染、1万3千人が死亡しました。原因は水道水の塩素消毒を中止したためとも言われています。

また、もともと塩素消毒のシステムが整っていなかったとも言われていますが、どちらにせよ水道水が十分に塩素消毒されていれば、これほど感染が広まることはありえませんでした。

水道水の塩素濃度に関するまとめ

水道水の塩素濃度について見てきましたが、いろいろな意見はあるものの、日本の水質は各水道局によってしっかり管理され、塩素濃度も一定で安全な水が提供されていることがわかりました。

塩素濃度はアメリカ、中国に比べ若干高いけれども、おいしい水を作る取り組みがこれほど進んでいるというのもとても恵まれたことです。

塩素の危険性と必要性、その両方を理解しつつ、上手に水道水を利用できるといいですね。

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